MALICE:林遣都×高梨臨×佐藤隆太トリプル主演 「フォーカスの当たる人物が変わる切り口が面白い」

高梨臨さん(手前左)、林遣都さん(同右)、佐藤隆太さん
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高梨臨さん(手前左)、林遣都さん(同右)、佐藤隆太さん

 動画配信サービス「U-NEXT」の連続ドラマMALICE(マリス)」が9月14日に配信スタート。今作でトリプル主演を務める俳優の林遣都さん、高梨臨さん、佐藤隆太さんに、オファーを聞いての心境や役の印象、撮影について聞いた。

ウナギノボリ

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 ドラマは、大学の事務局長が殺害された事件の担当所轄刑事・星野尚人(林さん)、殺人容疑を掛けられた大学講師・谷村夏帆(高梨さん)、スクープを狙う週刊誌記者・丸山奏太(佐藤さん)が、それぞれプライベートに問題を抱えつつ、利害関係の一致から協力して事件を追うヒューマンサスペンス。

 --出演を聞いての感想は?

 林さん プロデューサーの森安(彩)さんとチーフ監督の村上(正典)さんと10年ほど前にご一緒させていただき、またお二人とお仕事ができる喜びと少しは成長した姿を見せられたという思いがありました。企画書や脚本を読み、テーマに惹(ひ)かれました。いろんな弱い立場の人に寄りそっていて、多くの人が共感できる作品になるのではと思いました。

 高梨さん 三つの視点で描かれるのは興味深く、今まで挑戦したことがないような役柄でやりがいもあるのではと思い、不安もありつつ挑戦したい気持ちになりました。一人一人の視点で見えるものが変わるのも、このドラマの面白さかなと台本を読みながら思いました。

 佐藤さん 話によってフォーカスの当たる人物が変わる切り口が面白いですよね。それぞれの目線を軸に展開されるので、物語をより広い視点で、違った角度から発見や気づきが出てくるといった意味では、見ていて見応えや納得感を感じて頂けると思います。僕自身もお2人のメイン回を見るのがとても楽しみです。

 --役の印象を教えてください。

 林さん 描かれていないけれど、(星野は)情熱や志を持って警察という道を選び、いろんなものを見てきた中で思い描いていたものとの違いや理想と現実のギャップを感じ、掲げていた信念や正義感、誇りが必要でない場面も経験してきたと思います。1話のふさぎ込んだ状態は、どの立場、どの職業でもあり得ること。乾いた感じや何かあきらめてしまっていていることに、人間くささを感じました。

 高梨さん (夏帆は)誰も信じられず、自分だけを信じてのし上がってきた人間。みんな自分のことしか考えていないと言っている夏帆も、実は自分のことしか考えていないなって。容疑者とされニュースの表面だけで悪意を向けられたたかれるけど、ニュースが変わると世間の言うこともコロッと変わる。人間の滑稽(こっけい)さのようなものを感じつつ演じました。

 佐藤さん 娘の親権を取ることが丸山にとっての正義なのですが、同じ父親として見ると詰めが甘い(笑い)。もう少しちゃんとすべき点が結構出てくるんですよね。でも人にはそれぞれ得手不得手があって。丸山も気持ちは誰よりも持っているけど、うまくできない不器用さがある。彼に対するツッコミどころはありますが、そうした人間臭い部分は演じる上でやりがいを感じましたし、フォーカスをじっくり当ててくれる分、そういう面がこぼれてくるのも魅力の一つだと思います。

 --刑事や教師、記者へのイメージは変わりましたか。

 林さん 刑事も教師も記者も、悪に立ち向かう立場や人の人生に選択肢を与える立場で、世の中からなくなってはいけない職種だなと改めて感じました。

 高梨さん 男性への偏見も彼女は持っているけれど、女性という部分で出世が大変なことから、男性社会と感じる場所で女性たちが戦っていることを改めて考えさせられました。

 佐藤さん 記者さんそれぞれが、その人なりの正義を持っているのは共感できる部分もあれば、受け手によって物事の捉え方が変わることもあるので、とても細かい神経を使う仕事ではないかと感じました。

 --現場の雰囲気や撮影エピソードを聞かせてください。

 高梨さん 3人での撮影も楽しいし、それぞれ人となりのエピソードが充実しているから1人の時はまた違った現場かと思うほど自分の表情や芝居も違った。その場その場で雰囲気が変わるのは楽しかったです。

 林さん 森安さんがクランクイン3回分ごあいさつをしてくださったことで、今作の意味や現場の一体感が生まれました。限られた撮影でも会話できる時間を作っていただき、良い雰囲気で撮影できました。

 佐藤さん 遣都君は芝居に対して真っすぐで一緒に芝居をしていて刺激になりました。役として対峙しているとき、真摯に芝居に向かう姿に引かれ、そういった部分で距離を縮められたように思います。バディーやパートナー的な動きをする相手が遣都君で良かったです。(取材・文:遠藤政樹)

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