仲間由紀恵:「大奥」治済は「子供に見られちゃいけない役」 最期まで狂気体現「不謹慎」も「ある意味わくわく」

「大奥 Season2」で一橋治済を演じた仲間由紀恵 (C)NHK
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「大奥 Season2」で一橋治済を演じた仲間由紀恵 (C)NHK

 よしながふみさんの人気マンガを実写化したNHKの「ドラマ10『大奥 Season2』」(総合、火曜午後10時)で一橋治済を演じた仲間由紀恵さん。10月31日に放送された「医療編(15)」では、“冷淡で非道な権力の亡者”治済の最期が描かれた。仲間さんは治済について「視聴者の皆さんからお叱りを受けるような役だとは思いますけれど。今まで演じたことのない、狂気的な役でした。子供に、見られちゃいけない役だなと思いますけれど……私の意思ではなく、脚本と監督の演出通り演じることができたということをきちんと伝えたいなと思います(笑い)」と振り返った。

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 ◇治済の言動は「人として理解できない部分だらけ」

 治済は、吉宗(冨永愛さん)の三女・宗尹の子で一橋家当主(吉宗の孫)。一見柔らかい雰囲気だが冷淡で非道な権力の亡者。田沼意次(松下奈緒さん)や松平定信(安達祐実さん)に気付かれぬよう、あらゆる謀略を巡らし、我が子・家斉(中村蒼さん)を将軍にしようと密かに画策。無慈悲に邪魔者を排除していったが、家斉の正室の御台(蓮佛美沙子さん)らの復讐に遭い、逆に毒を盛られて、命を落とした。

 自分の思い通りにならないなら、息子の家斉のことも殺めようとするなど、最期まで治済の狂気を体現した仲間さんは、最初「幼い子供を平気で殺めていく役だという情報は聞いていましたが、実際何を思っていて、どんな役なのかという細かいところまでは、オファーをいただいた時点では分かりませんでした」と明かす。

 「それでも台本を読み進めるうちに、思っていたより“ファンタジーな人”だなあと思えてきました。そもそも人の命を奪うこと自体がどうなんだというのはもちろんありますが、仕方なく人の命を奪うにしても、普通は理由があると思います。でも彼女が人を殺める時に、理由はなくて。権力を手に入れる上で邪魔な者は排除するというただそれだけで、淡々と人を殺せてしまうし、楽しみすら感じることもある……。狂気的な面を持っていて、世の常識が通じない、とんでもない人だなと思いました」

 仲間さんにとって治済の言動は「人として理解できない部分だらけ」。演じるにあたっては、「理解しようというよりも、どんな楽しみを先に置いてこの人は取りかかっているのかな……みたいなことを想像しながら演じました」と語る。

 「あくまで作り物の世界ですし、ここまで振り切れた人物だと、監督陣もとても楽しそうに演出されるんです。それに、そもそも時代劇というのは、誰も実際には見たことのない世界。ある程度自由に作れるものだと思っています。とんでもなく変わり者で狂気な治済なので、不謹慎ではありますが、ある意味わくわくしながら演じさせてもらいました」

 ◇

 「大奥」は、若い男性のみに感染する奇病「赤面疱瘡」の影響で、男性の人口が女性の4分の1に激減した江戸時代、将軍職は女性へと引き継がれ、大奥は「美男3000人」と称される男の世界に……というパラレルワールドが舞台の時代劇。シーズン1は2023年1~3月に放送された。

 シーズン2では、8代将軍・吉宗の遺志を継ぎ若き医師たちが「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」撲滅に向けて立ち上がるその後の物語から、女将軍をはじめとした幕府の人々が、“江戸城無血開城”のために奔走した幕末・大政奉還の物語までを初めて映像化する。

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