松本潤さん主演のNHK大河ドラマ「どうする家康」(総合、日曜午後8時ほか)で、井伊直政を演じてきた俳優の板垣李光人さん。板垣さんが大河ドラマに出演するのは今回が3回目で、過去2回は「花燃ゆ」(2015年)、まだ記憶に新しい「青天を衝(つ)け」(2021年)と“戦国もの”は「どうする家康」が初となった。個性豊かな徳川家臣団のキャストにあって最年少(21歳)ながら随所に存在感を発揮した板垣さん。「どうする家康」はどんな経験となったのか、話を聞いた。
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戦国大河の印象について「より、いつ死ぬか分からない時代で、おのずと顔つきがキッとなります」と話す板垣さん。
「本当に目まぐるしく状況が変わっていく、そのスピード感。書状一つ来ることで、もしかしたら命を落とすかもしれないという部分。ドラマとはいえ、この渦中にいると面(つら)構えが変わってきますよね」
板垣さんの撮影期間は昨年の12月から今年8月までの約9カ月間に及んだ。主演の松本さんはもとより、松重豊さん、大森南朋さん、山田裕貴さん、杉野遥亮さんら、他の徳川家臣団メンバーと同じ時間を共に過ごし、「これだけのキャストの方々とご一緒できたというのは一つ大きな財産です」と明かす。
「何より僕が、直政みたいな役の経験があまりない中で、『こういう感じも見てみたい』と、これだけ重要な役を託していただけたことはありがたかったです。それってある種“大博打”で、撮影に入る前は結構プレッシャーというか、期待に自分が応えられるのか、不安みたいなものもありましたけど。それも他のキャストの方々と芝居をしていく中で、楽しい方向にわりと早い段階で変わっていったので、本当にありがたかったし、楽しかった9カ月だった思います」
撮影期間中は直政として、気持ち的に「ずっと殿(松本さん演じる家康)と共感し続けてきた」とも告白する。
「殿が苦しい思いをすれば自分も苦しいし、という感じで。数正(松重さん)が出奔したあとの、あの秀吉(ムロツヨシさん)にひざまずかなければならなかった殿の忸怩(じくじ)たる思いというのは計りしれないし、だからこそ家臣団全員が殿の気持ちが痛いほど分かる。もちろん、直政の個としての思いもありましてけど、それ以上に殿と家臣団との感情、気持ちの共鳴がすごくあって、僕にとっても初めての経験で、それはこの作品ならではのものなんだと思います」
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