水上恒司:「ブギウギ」の撮影現場は「試されている感覚」 ヒロインの“最愛の人”役「自分だったらどう支えられたいか考えた」

NHK連続テレビ小説「ブギウギ」で村山愛助を演じる水上恒司さん(C)NHK
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NHK連続テレビ小説「ブギウギ」で村山愛助を演じる水上恒司さん(C)NHK

 趣里さんがヒロインを務めるNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(総合、月~土曜午前8時ほか)で、ヒロイン・スズ子の“最愛の人”村山愛助を演じる水上恒司さん。第11週「ワテより十も下や」(12月11~15日)から登場し、スズ子と恋に落ちる9歳年下の青年を演じる。朝ドラ初出演となる水上さんが、自身の役どころや撮影現場の雰囲気、趣里さんの印象などについて語った。

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 ◇スズ子と愛助の関係は「なかなかない男女の形」

 水上さんが演じる愛助は、大阪にある日本随一の演芸会社・村山興業の御曹司。スズ子の大ファンだったが、やがて互いに引かれ合っていくという役どころだ。さまざまな逆境を二人で乗り越え、スズ子の人生に大きな影響を与える運命の相手となる。

 水上さんは、スズ子と愛助の関係について「昭和の時代にはなかなかない男女の形で、現代でも目指していくべき姿」と説明する。

 「今よりもはるかに男性優位だった時代に、愛助は憧れの存在であるスズ子を立て、『スターとして駆け上がっていくためにこうしなきゃいけない』と後押しするんです。そんなスズ子と愛助の姿を今の時代に届けることは、すごく意味があることだなと思います」

 愛助を演じる上では、「スズ子のことを一番に考えること」を大切にしたという。

 「スズ子に“刺さる”男性像を作っていきたかったので、澤井梨丘ちゃんが演じたスズ子の子供時代からの台本を読ませていただいて、スズ子の人となりを頭に入れてから撮影に臨みました。スズ子にとっての愛助はどういう存在なんだろう、スズ子にとってどういう愛助でいられたら楽しく生きていけるのだろう、ということを意識していました。愛助はスズ子を支える役どころなので、(俳優として周囲から支えられている)自分だったら、パートナーにどうサポートをしてもらえたら芸能活動をやりやすいんだろう、ということも考えました」

 ◇大阪の現場で刺激 ツッコミの成功率は「1割8分」

 福岡県で生まれ育った水上さんは、西日本出身ということもあり、関西弁について「台本を読んだ時点では『意外といけるんじゃない?』と思った」というが、習得には苦労していると明かす。

 方言指導の先生から、さまざまな方言が混ざる「七色の方言」と評されたそうで、「『今合ってる!』『今違う!』って言われているときの何が違うのか、よく分からない状態で……。悪戦苦闘しています」と苦笑いした。

 「ブギウギ」はNHK大阪放送局制作の朝ドラだが、水上さんは現場で“大阪の洗礼”を受けたようだ。

 「やりとり一つにしても何か試されている気がします。オチだったりボケだったりツッコミだったり……。その感覚はすごく刺激になっています。ツッコミもしますけど、成功率は1割8分くらいです(笑い)」

 現場での趣里さんは、ハードなスケジュールの中でも「苦しい顔一つせず、周囲の人たちと楽しんでいる」という。

 「芝居だけでなく、歌も踊りもありますから。休みの日もボイストレーニング、ダンスのリハーサルがあり、その中でせりふも覚えなければなりません。趣里さんご自身も『いい時間だったね』と思えるような現場にしたいと思っていらっしゃるでしょうし、周りにも同じように思ってほしいという姿勢が伝わってきます」

 そんな趣里さんに励まされているといい、「『僕も頑張ろう。この人にエネルギーを注ぎ込むぞ!』みたいなポジティブな感情にしてくれるような立ち方をされています」と、その座長ぶりをたたえた。

 ◇スズ子を好きになれることがうれしい

 第11週では、スズ子と愛助が出会い、引かれ合う姿が描かれる。水上さんも愛助と同じようにスズ子のステージに魅了されたといい、実際のパフォーマンスを見て「すごく高揚した」と振り返る。

 「趣里さんが歌う『ラッパと娘』の音源を聴いたときから、愛助の役作りは全く心配ないなと感じていました。頭で考えなくても純粋にスズ子という役を愛せると思いましたし、心配より楽しみでしかないという状態。実際にステージを見たら最高で、音楽とドラマがうまくかみ合うと予想できないエネルギーが生み出されるんだなと思いました」

 趣里さんから刺激を受けることも多いといい、「才能あふれる趣里さんは見ていて面白いです。そんな趣里さんが演じるスズ子を好きになれることが大変うれしいですし、何も疑問を持たず、『愛しています』とちゃんと言えます」と目を輝かせる。

 スズ子と愛助の恋模様は、ほほ笑ましい場面も多いという。そんな2人の姿を通して、視聴者に伝えたいことはあるのだろうか。

 「スズ子と愛助の姿を見て、今日も一日頑張ろうだったり、仕事を辞めようと思ったけどもう1回頑張ってみようかなとか、そういう些細(ささい)な頑張るきっかけになれると信じています」

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