松本潤さんが徳川家康を演じた「どうする家康」の次回作となる2024年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(総合、日曜午後8時ほか)が、1月7日にスタートする。ドラマは、平安中期の貴族社会が舞台で、のちに世界最古の女性文学といわれる「源氏物語」を書き上げた紫式部(劇中の名はまひろ)が主人公だ。扱う時代は、NHKによると、長い歴史を誇る大河ドラマで2番目に古いという。そんな「光る君へ」よりもさらに古い時代を舞台にした1976年の大河ドラマ「風と雲と虹と」とは、どんな作品なのだろうか……。
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「風と雲と虹と」は、14作目の大河ドラマとして、1976年1月4日から12月26日にかけて放送された。原作は直木賞作家の海音寺潮五郎さん。脚本を福田善之さんが手掛け、主演は加藤剛さんが務めた。ドラマは全52話で、視聴率(関東地区)は、期間平均24.0%(初回28.0%、最高30.1%)を記録している。
主人公は、10世紀半ばに坂東に君臨した豪族・平将門。将門といえば、東京・大手町の「首塚」、または「首」そのものにまつわる死後の伝説などから、“日本三大怨霊”の一人(あとの二人は菅原道真と崇徳天皇)として知られている。
古くから「畏怖の対象」とされ、歌舞伎や浮世絵、さらには「帝都物語」のようなSF作品の題材として取り上げられてきた将門。「風と雲と虹と」では、そんな将門を、従来の「朝廷に弓引いた逆賊」ではなく、民衆を救うために戦った「正義の人」として描いている。
主演の加藤さんが、誠実で正義感の強い将門を熱演。また“もう一人の主人公”とされる伊予の貴族・藤原純友を、緒形拳さんが演じ、吉永小百合さんや若き草刈正雄さんも出演している。
「NHK大河ドラマ大全」(NHK出版)によると、加藤さんの「平将門を演じたい」との一言から実現した作品といわれる「風と雲と虹と」。また、初回放送の冒頭で原作者の海音寺さんが登場し、解説を行ったが、大河ドラマで初めての試みだった。
そのほか、吉永さんが演じた“将門が愛した女性”貴子の波乱の人生も当時、注目を集め、初の大河ドラマとなった草刈さんもニヒルな一匹狼・鹿島玄明役で人気を博したという。
「光る君へ」の主人公・紫式部が生まれる30~50年ほど前を舞台にした夢とロマンあふれる物語を、この機会に見返してみるのも一興だ。
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