西島秀俊:芦田愛菜は「意外とポンコツな人」 「さよならマエストロ」は納得していただける最終回に

「さよならマエストロ」の場面カット=TBS提供
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「さよならマエストロ」の場面カット=TBS提供

 俳優の西島秀俊さん主演の連続ドラマ「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」(TBS系、日曜午後9時)が3月17日に最終回を迎える。前回の第9話では、5年前の事件以来すれ違っていた俊平(西島さん)と響(芦田愛菜さん)が、互いの思いをぶつけ合い雪解けを迎える感動の展開が描かれた。ついに迎える最終回を前に、これまでの撮影の裏側から最終回のヒントまで、西島さんに語ってもらった。

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 --9話のラスト、俊平と響が5年前の出来事を乗り越えて打ち解けたシーンが、多くの視聴者の感動を呼びました。

 あのシーンは2人の山場のシーンだったので、とても緊張感がありました。俊平と響はギクシャクしながらも結構楽しいシーンも多くて。喧嘩をしているシーンも楽しんでやっていた部分がありましたが、あの日は特別でしたね。スタッフも全部の撮影が終わった後に、「朝からものすごく緊張していた」と言っていました。僕自身は、ドキドキするというより、妙に静かな気持ちになりましたね。

 --芦田さんとのシーンが多かったと思いますが、雰囲気はいかがでしょうか。

 皆さんのイメージと違って、意外と芦田さんってポンコツな人なんですよ(笑い)。しょっちゅう物にぶつかったり、転けたりしていて。リハーサルで転んだシーンがそのまま採用になって放送されたりもしていましたし。俊平もポンコツな部分が多いので、台本上はポンコツの父親としっかり者の娘という描かれ方だったのが、どんどんただの似たもの親子が喧嘩しているようになっていて(笑い)、それは現場で起こるケミストリーというか。人が演じるってこういうことなんだと思って、とても面白かったです。

 --これまで俊平を演じてこられて、印象的なシーンはどこでしょうか。

 オーケストラのシーンはやっぱり毎回楽しく、みんな本当に喜びをもって盛り上がって演奏をしていたのでどの回も印象に残っています。

 あとはやっぱり6、7話くらいから、だんだんみんなの感情が高まるシーンが増えていって。毎回最後までドラマが盛り上がるような感情のイベントがある感じで、それはやっぱり大変でした。本作は役者さんが本当に皆さん素晴らしいので、「え、そんな感じなの?」と驚くくらい、撮影では皆さんの感情がこちらにうわっと向かって来るんですよ。だからそれを毎回受けて演技をしていくというのが、素晴らしい体験でした。

 --これまで一緒に頑張ってきたキャスト、スタッフに伝えたいことはありますか。

 画もいい、音もいい、ロケーションもいい、美術も素晴らしいこのドラマに関われたことを本当に誇りに思っているので、それを用意してくださったプロデューサーの方々、それから監督たちはじめスタッフの皆さんには、本当にありがとうございましたと伝えたいです。

 そして僕に指揮をご指導くださった東京音楽大学の先生方にも。先生方の愛情深いご指導のおかげで、どの演奏も毎回楽しく、正直大変でしたが、「もっとやりたい、もっと作りたい!」という気持ちになれました。実は毎回、このドラマを見た友達から連絡が来ていて。「うちの娘が感動して泣いてた」というのも聞きまして、世代を超えて、音楽という枠を越えて、“自分の好きなもので戦っている人たちの物語”として、本当にたくさんの人たちに届いたんだなと実感しています。

 共演者の皆さんも、最高の俳優たちが集まったと思っています。台本で読んでいるよりも本気の芝居が毎回くるので、どのシーンも本当に感動的で、全員素晴らしかった。またご一緒できるように精進して、もっともっと頑張って、いい俳優になろうと思います。

 --「さよならマエストロ」というタイトルのとおり、最終回は俊平がどんな未来を選ぶのかが大きな見どころかと思います。改めて視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

 タイトルが最終回に関わってくるのかというところですが、それは僕が今言ってしまうとアレなので…もしかしたら全然関係ないかもしれないですしね(笑い)。とにかくたくさんの皆さんに応援していただいたおかげで、本当にすてきなドラマになりました。現場でもスタッフ・キャスト全員がいいドラマにしたいと思いながら、そのことをすごく楽しんで作品を作ることができて。最終回、今まで楽しんで下さった方にも納得していただける、本当に素晴らしい回になっていると思いますので、ぜひ最後まで楽しんで見てください。

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