虎に翼:初回冒頭、なぜ「日本国憲法第14条」 戦後開かれた道 “モデル”三淵嘉子「人生のターニングポイント」発言がもと

伊藤沙莉さん主演のNHK連続テレビ小説「虎に翼」のメインビジュアル (C)NHK
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伊藤沙莉さん主演のNHK連続テレビ小説「虎に翼」のメインビジュアル (C)NHK

 伊藤沙莉さんが主演する2024年度前期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」(総合、月~土曜午前8時ほか)が、4月1日にスタートした。本作は、1996年度前期の「ひまわり」以来、28年ぶりとなる“法律もの”の朝ドラ。1日放送の第1回の冒頭には、日本国憲法の第14条が読み上げられ、視聴者の間でも話題となった。

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 「虎に翼」は、日本初の女性弁護士で、後に裁判官を務めた三淵嘉子さん(1914~84年)の人生をモデルとしたオリジナルストーリー。ヒロイン・寅子(伊藤さん)とその仲間たちが、困難な時代に道なき道を切り開き、迷える子供や追いつめられた女性たちを救っていく姿を描く、リーガルエンターテインメントだ。

 第1回の冒頭、河原で新聞を凝視する寅子の姿が映し出された。その視線の先にあったのは、昭和21(1946)年に公布された日本国憲法の第14条。語りを務める尾野真千子さんが「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と読み上げる中、寅子が向かった先に待っていたのが、“後に最高裁判所長官となる男”桂場等一郎(松山ケンイチさん)で……と展開した

 同シーンは、寅子のモデルとなった三淵さんの過去の発言をもとに生まれたという。

 三淵さんは、明治大学専門部女子部法科で学び、昭和13(1938)年に高等文官試験司法科に合格、日本で初めての女性弁護士の一人となる。戦後は、それまで女性への門戸が閉ざされていた裁判官への任官を目指し、裁判官採用願を司法省に提出。すぐには採用されず司法省で民法の改正と家庭裁判所の設立に携わった。そして昭和24(1949)年に裁判官になると、後には女性として初めての裁判所長も務めた。

 制作統括・尾崎裕和さんは「実は三淵さんのインタビューの音声が、NHKのラジオでインタビューしたものが残っていて。(日本国)憲法が戦後にできて変わったということを、ご自身の一番大きなターニングポイントだったと語っていた。それまではなれなかった裁判官になれたということで、大きな人生のターニングポイントになったと語られていた。その史実をもとに(しました)」と明かした。

 ドラマは始まったばかり。この先、ヒロインの寅子が、どのように日本初の女性弁護士となり、その後、裁判官への道を歩むのか。引き続き、注目だ。

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