ドラマ「あぶない刑事(デカ)」(通称・あぶ刑事)シリーズの最新作となる映画「帰ってきたあぶない刑事」(原廣利監督)が5月24日に公開される。「あぶない刑事」は、横浜を舞台に、破天荒な刑事コンビの活躍を描いた人気シリーズ。タカこと鷹山敏樹役の舘ひろしさん、ユージこと大下勇次役の柴田恭兵さん、真山薫役の浅野温子さん、町田透役の仲村トオルさんに、復活への思いや撮影の舞台裏、シリーズ開始当初の秘話を聞いた。(前後編の前編、取材・文・撮影:遠藤政樹)
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「さらば あぶない刑事」以来、8年ぶりの新作映画は、定年退職して刑事を引退したタカ(舘さん)とユージ(柴田さん)が横浜に戻り、「T&Y探偵事務所」を開業。依頼人第1号として、どちらかの娘かもしれない彩夏(土屋太鳳さん)が現れ、母を探してほしいという。捜索を始めると、チャイニーズマフィア、謎の美女、元銀星会組長の息子が企む横浜新カジノ構想などが絡んできて……と展開する。
舘さん お話をいただいたときはすごくうれしかった。(前作で)「さらば」と言っちゃったけど大丈夫かなと思ったら大丈夫だというので(笑い)。それなら「やりましょう!と。この4人が一緒になると“最強”だな、怖いものなしだという気持ちになります。
柴田さん 実は「もういいだろう」と思っていたけど、今回は「どちらかの娘かもしれない人物を登場させたい」と聞いて、今まで見せたことのないタカとユージのプライベートなニュアンスの芝居ができるのが面白いなと思った。撮影が始まると8年ぶりの感じがまったくしなかった。もう年取っていますから時間の流れが早くて、3年ぶりぐらいな感じでした。
浅野さん 8年は早かったと感じたけど、「なぜ今なの?」って(笑い)。誰がどういう確信と根拠を持って今やろうと言ったのか聞いたけど、誰も「自分じゃない」としか答えないから、いまだに謎です。
仲村さん 昭和61年(1986年)に「あぶない刑事」のテレビシリーズが始まったときから、一回も出るか出ないかを聞かれたことがなくて。「出るのは決まっているから」状態だったので、今回もやるのかって(笑い)。役柄的にはずっと港暑にいる設定なので、「帰ってきたというよりも町田透はずっとここにいたんだ」と、演じてみて感じました。
舘さん まったくしません。オートバイもクランクインしてしばらくしたときに持ってきてもらって、8年ぶりに乗りました。30分くらい乗ったら、だいたい感覚は取り戻せましたね。
柴田さん (準備は)特になかったです。カットがかかると肩でヒーヒー言ってましたけど、年相応のタカとユージでいい。ポンコツでも一生懸命走るのがカッコいいと思っていましたから。それをカッコいいと言っていただけたらうれしいですね。
浅野さん 反射神経で薫になるのでないですね。ここ(あぶない刑事)の現場に入ったという感覚や、ベテランのスタッフと若いスタッフに違和感がなくてスムーズに入れたことが大きかったと思います。
仲村さん 初期の頃に叱られたことも含めて、この作品は楽しい記憶ばかりなので(新作に入る)ワクワク感はありました。何年たっても20、21歳の頃のように小僧扱いしてもらえるのも楽しかったりします。いつの頃からか現場で「仲村さん」と呼ぶ人数の方が多くなってしまって。何のためらいもなくイジってくる人たちに囲まれるのは、青春が蘇るような気がします(笑い)。
柴田さん 舘さんと(土屋)太鳳さんがハーレー横で話すシーンで、舘さんのはにかんだ笑顔というか、温かい笑顔で太鳳さんを見つめている表情は、今までそんな顔を一回も見たことがなかったし、とてもすてきだなとドキッとしました。
舘さん 僕と恭さまでは子供に対する接し方が違って。僕は変な距離感がある。それが出ていていいシーンになったというか。二人の子供に対する距離感が出ている感じが良かったかなと思います。何といっても印象に残っているのは、おんこ(浅野さん)が突然出てきてわけわからず叫ぶ破壊力。そこまで大切にすてきなスタイリッシュなものにしようとしていたのが、突然ドカーって(笑い)。
浅野さん あれは監督が(笑い)。
仲村さん レパードを運転するシーンがあって、レパードを実際に運転するのは多分初めてだったかな、400~500メートルぐらいの距離を運転して止めてというのを、いろんなアングルから撮るので何回もやったのですが、スタート位置に戻すのも全部僕がやりました。ほかの現場だと「変わります」と戻すのはスタッフがやってくれますが、ずっと僕がスタート位置まで戻したのは、「あぶ刑事っぽい」「懐かしい」と思いました(笑い)。(後編に続く)
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