山下幸輝:「アンチヒーロー」“伊達原”野村萬斎の“目力”に完敗? “明墨”長谷川博己の印象は

ドラマ「アンチヒーロー」に出演する俳優の山下幸輝さん(C)TBS
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ドラマ「アンチヒーロー」に出演する俳優の山下幸輝さん(C)TBS

 俳優の長谷川博己さんが主演を務めるTBS系「日曜劇場」枠(日曜午後9時)の連続ドラマ「アンチヒーロー」。東京地方検察庁の検事正・伊達原(野村萬斎さん)と検察官・緑川(木村佳乃さん)のもとで働く若手検事、菊池大輝を演じている山下幸輝さん。伊達原の手足となって暗躍する菊池の役どころや、撮影現場で感じたことを聞いた。

ウナギノボリ

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 --山下さんから見た「アンチヒーロー」の魅力を教えてください。

 張り巡らされた伏線を全部裏切っていくというのが、このドラマの最大の魅力だと思います。視聴者の方々がSNSでも考察に盛り上がっていますし、エンターテインメントとして本当に面白いです。

 僕が演じる菊池は第4話で伊達原から「ちょっと君、頼みたいことがあるんだけど」と頼まれるなど、裏で何やら動いていますので、菊池の動きにも注目してほしいですね。

 --菊池大輝を演じるにあたり、どんな役作りをしましたか?

 最近、 実年齢よりも年上の役を演じることが多く、今回の菊池は27歳です。劇中には出てこないのですが、実は東大卒という裏設定もありまして、それを踏まえた立ち姿やたたずまいに気をつけて役作りをしました。とにかくドシッと構えていようと(笑い)。

 目の奥が笑っていない、恐いタイプの伊達原とは違い、菊池は仕事に真面目なタイプなのかなというイメージです。なので、とにかく真っすぐに上司を見るように心がけています。伊達原の正義イコール自分の正義と信じているので、そうした菊池独特の視点にこだわって演じています。

 --撮影現場の雰囲気はいかがでしょうか?

 これまで比較的同世代の俳優さんたちとの共演者が多く、こんなにたくさんの先輩方とお芝居することが初めてで。最初はとてもプレッシャーを感じ、圧倒されていましたが、皆さんがとても優しくて今は馴染めている気がします。

 この作品は専門用語も多く、難しいシーンも多いのですが、撮影中に皆さんが集中して演じていられる姿を間近で見ることができ、とても勉強になっています。

 でも、現場の雰囲気は和気あいあいとしています。難しいセリフが多いだけに、たとえ誰かが間違えたとしても、逆に現場が盛り上がってしまうぐらい活気があるんです。特に法廷は張り詰めたシーンではありますが、撮影中はみんなで励まし合っていて。こういうギャップが僕はとても好きですね。

 --主演の長谷川さんの印象はいかがですか。

 特に法廷での長谷川さんのお芝居は、セリフ1つひとつにパワーがこもっていて圧倒されます。個人的には、第1話の最後に明墨が「病気をさらしてでも勝ちたい」と言ったシーンがとても印象的。そういうキャラクターは普通、反感を買うと思うのですが、それを長谷川さんの演技で成立させてしまっているところが、本当にすごいと思いました。

 同じ第1話で明墨が赤峰(北村匠海さん)に「ハリネズミだよ」と言うシーンで、長谷川さんがネズミのようなジェスチャーを使ったお芝居をされていたのも印象的です。自分もあのような気転の利いたお芝居ができるようになりたいです。

 --検察の上司である萬斎さん、木村さんの印象を聞かせてください。

 萬斎さんがセリフをしゃべっている間、僕はそれを聞いているのですが、伊達原と菊池が対峙しているシーンではいつも萬斎さんの目に負けてしまいます(苦笑)。目で訴えかけてくるパワーがすごすぎて、セリフのない時間が一番耐える時間になっていて。撮影期間中、一度は勝ちたいなとは思っているのですが、今のところ連敗中です(笑い)。

 木村さんは太陽みたいな方ですね。早朝からの撮影でも、木村さんの明るさに、みんなが「頑張れそうだ」というパワーをもらえるんです。法廷の撮影はセットの中で行われていることもあり、どうしても暑くなってしまうのですが、シーンの撮影の合間に、木村さんが小道具を使って共演者を扇いでいるところを目撃しまして。そういう気遣いもすてきだなと思いました。

 --同世代の北村匠海さんや堀田真由さんとはどんなお話をされますか?

 僕のクランクインの日は法廷シーンの撮影で、かなり緊張して現場に入ったのですが、ご挨拶に行った時、お2人とも気さくに写真を撮ってくださいました。それで緊張がほぐれたのをよく覚えています。

 法廷というのは実生活ではなかなかなじみのない場所です。僕はそんな状況に余計に緊張してしまって、どこか浮いているような感覚なのですが、お2人は自分の中にしっかり役を落として、お芝居をされていて。その姿を見て、やっぱりすごいと思いました。僕も地に足つけてちゃんとお芝居できるように頑張ります。

 実は堀田(真由)さんとは「よるのブランチ」で現場リポートをご一緒させていただきました。ふんわりとしつつも、落ち着いている方で、とても居心地の良い方です。

 --放送後、山下さんの周りの反響はいかがですか?

 俳優としてまだまだ経験の浅い僕が「日曜劇場」という枠のドラマに出演できるということは、とても光栄なことだと思っています。

 放送が始まってからは、特に親世代の方々からよくお声をかけていただくようになりましたね。演技を褒めてもらうことがあり、とてもうれしかったです。

 撮影ではいまだに緊張するのですが、今、経験できていることを糧にこれからも成長していきたいと思います。「アンチヒーロー」は僕の俳優人生にとっても特別な作品になりそう……というか、すでになっています!(笑い)

 --視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

 これから菊池が伊達原の指示で動いていたことが明らかになっていきますので、ぜひ菊池の動きも楽しみにしていてください。僕自身もいち視聴者として毎週楽しんで見ていますので、皆さんも明墨の言葉を注意深くチェックしながら、このドラマを楽しんでほしいと思います。

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