高橋文哉：初のヤンキー役、クランクイン前日まで金髪を試行錯誤　「伝説の頭 翔」実写化　一人二役は「正体がバレたら死ぬ」心持ちで

　俳優の高橋文哉さんが主演を務める、テレビ朝日系「金曜ナイトドラマ」（金曜午後11時15分、一部地域を除く）枠の「伝説の頭 翔」が7月19日にスタートする。初の一人二役、初のヤンキー役、初のコメディー作品と、高橋さんにとって初めて尽くしとなる今作。役作りや、今作に懸ける思いなどを聞いた。

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　ドラマは、「クロサギ」「正直不動産」など多くの実写化作品の原案で知られる夏原武さんのデビュー作で、2003～05年に「週刊少年マガジン」（講談社）で連載された同名マンガの初の実写化。ヤンキーたちを束ねる“伝説の頭”伊集院翔と、スクールカーストの最下層にいる“万年パシリ”山田達人（たつひと）の容姿そっくりの2人が、ある日人生を交換することになり……というストーリー。高橋さんが一人二役で、翔と達人を演じる。

　連載されていたのは20年近く前だが、もともと原作マンガを読んでいたという高橋さん。

　「今年で31歳になる兄が原作のファンで、コミックスも全巻持っていたんです。僕もそれを読んでいたので、今回お話をいただいたとき、令和の時代にどのように実写化するんだろう！？とワクワクしました。兄には一番に報告したのですが、すごく喜んでいました（笑い）」

　翔と達人は似ているのは顔だけで、性格もバックボーンもまるで違う。そんな2人を演じる上で「気を付けなければいけないことは、たくさんあります」と話す。

　「2人をしっかりセパレートできるように、クランクインの前に、監督とプロデューサーの方々と何度も話し合って、2人の人物像の理解を深めていきました。ビジュアル面では、翔は最強のヤンキーなので、強さの説得力を持たせるために、体を鍛えて少し増量しました。でもガタイが良すぎてしまうと、今度は達人の弱さがなくなってしまうので……そこのバランスが難しいのですが、ちょうど良い境目を探しています」

　ビジュアル面では、髪形にもこだわった。

　「翔のカリスマ感やカッコ良さをどうやって出して良いんだろうと思い、ツーブロックはどうですか？と提案させていただきました。金髪も、監督やプロデューサーの方々とセッションして完成までに長い時間が掛かりました。でも、まだ何かできないかと、クランクイン前日に無理を承知で根本だけ黒に戻していいですか？とお願いしたんです。そうしたらスタッフさんが気持ち良く対応してくださって。そのとき、このチームの熱量の高さに感動しました」

　そんなスタッフ陣の“熱さ”に、高橋さんをはじめキャスト陣も感化されていった。

　「キャスト全員からこの作品に懸ける思いみたいなものを感じますし、スタッフ・キャストが一体となって最善を探しつつ、ちゃんと遊び心を持ちながら高みを目指しているな、と現場に立っていて思います。そんなチームの真ん中に立たせていただいていることには感謝しかないですし、僕も皆さんからの信頼に全力で応えたい。そして、この士気を保ったまま最後まで走り抜けるのは、（座長の）僕の役目だと思っているので、そこは大事にしていきたいです。今はいろいろな人に『僕、気合入っているので！』と宣言しています」

　初の一人二役については「今のところ達人のシーンを主に撮影しているので（6月上旬時点）、そこまで難しさは感じていません。達人が翔になりすますことになってからが難しいと思います」とさらりと話す。

　「翔を演じる達人」を演じるという複雑な構図だが、そのシーンの際は「達人を演じることだけを心掛けています」ときっぱり。「監督から『正体が周りにバレたら死ぬと思っていてほしい。それに重きを置いて』と言われたのですが、それを聞いたとき、（複雑な構図も）バレたら死ぬという達人の心境を大事にすればいいんだ！って、すごく気持ちが楽になりました。なので“演じている人を、演じている”という感覚はないです」と手応えを述べた。

　視聴者へのメッセージを求めると「僕がこのドラマの中で“遊び、暴れ、楽しんでいる”姿を見てほしい。金曜の夜に、思いっきり笑える、ぶっとんだコメディーをお届けできると思うので、期待して待っていただけたら、うれしいです」と呼び掛けた。