松坂桃李:神奈川県茅ヶ崎市の実家は「心のふるさと」 「秘密基地を作った」少年時代の思い出も

映画「パディントン 消えた黄金郷の秘密」の日本語吹替版でパディントンの声を担当した松坂桃李さん
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映画「パディントン 消えた黄金郷の秘密」の日本語吹替版でパディントンの声を担当した松坂桃李さん

 映画「パディントン 消えた黄金郷の秘密」(ドゥーガル・ウィルソン監督)の日本語吹替版でパディントンの声を担当している俳優の松坂桃李さん。赤い帽子とダッフルコートがトレードマークの“英国紳士”のくまのパディントンが主人公のシリーズ3作目で、松坂さんは2016年公開の1作目、2018年公開の2作目に続いて日本語吹替版でパディントンの声を担当している。松坂さんに、子ども世代に見てもらいたいポイントや、自身の子ども時代などについて聞いた。(前後編の後編)

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 ◇父になった今でも「ロマンを感じる冒険が好き」

 「パディントン」は、40カ国語以上で翻訳され、世界で3500万部以上を売り上げるロングセラー児童小説。映画3作目となる今作は、くまのパディントンが、「老グマホーム」で暮らすルーシーおばさんを訪ねてペルーへ家族旅行に出かけ、ジャングルの奥地で冒険を繰り広げる。

 今作は“クマ史上最大のアドベンチャー”とうたわれているが、松坂さん自身がドキドキした場面として「冒頭の子グマ時代のパディントンが溺れるシーン」を挙げる。さらに、「ブラウン一家のエピソードゼロというか前段が少しずつつまびらかになっていき、3作目にしてようやく(全貌が)明らかになるので、分かった瞬間にちょっとワクワクしましたね。確かにパディントンってどこから来たんだろうって思っていたので。ルーツ探しの旅は面白かったです」と語る。

 松坂さん自身のルーツは? 「心のふるさと的な場所といえば、やっぱり実家かもしれません。僕は神奈川の茅ヶ崎に実家があるんですけれど、茅ヶ崎に帰ると海に行きたくなる。別にサーフィンとかするわけではなく、単に海を眺めると、『ああ、戻ってきたな』という感じがします」と思いをはせる。

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 そのルーツとなる場所、茅ヶ崎の実家に住んでいた少年時代は、一人で秘密基地を作って遊ぶような子供だったという。

 「小学校低学年ぐらいの時に、当時住んでいたところの裏に自分一人で秘密基地を作ったんです。ゴミ捨て場から拾ってきたダンボールを一生懸命組み立てて、そこに自分のおもちゃを置いたりして。家族には内緒で野良猫も飼ってたんです。ある種のプライベート空間みたいなところで、本当に心が安らぐ場所でした。気づいたらいつの間にか(基地が)破壊されて、撤去されていました」

 そんなふうに少年時代から冒険心を持ち合わせていた松坂さん。父になった今でも「徳川埋蔵金とか、興味ありますよ(笑)。そういうロマンを感じる冒険は好きですね。お宝って特に男の子はいくつになっても好きな人は多いと思います。宝の地図にバツ印がついているようなのを見ると、心躍りますね」と顔をほころばせる。

 アドベンチャー映画は少年時代にワクワクしながら見ていたという。「当時見てたのが、『インディ・ジョーンズ』や『ハムナプトラ』のシリーズ。『ハムナプトラ』で虫がブワッと出てきて、一瞬で人間が骨になっちゃうシーンは、子供ながらに衝撃でした」と思い返していた。

 親子で楽しめる映画だが、子供たちにはどんなふうに楽しんでほしいかを聞いた。

 「やっぱり、動きが大きい冒険シーンには目が行ってしまいますよね。冒頭のパディントンが川で溺れるところとか、ペルーの山頂付近で逃げ回るシーンも、小さい子も楽しく見られます。パディントンは家族のヒーロー。うちにもパディントンのぬいぐるみがあるんですけれど、人形のお気に入りのラインアップに入っています」

 ◇2025年は「御上先生」に出演したことが大きな転機に

 今年1月期の主演ドラマ「御上先生」(TBS系)には大きな反響があり、自身の考え方にも影響を与えたという。

 「1話が放送されると、普段連絡を取っていない方からもお声をいただきました。『面白い』とか『ワクワクする』とか、『久しぶりにいいドラマに出合えた』と言っていただいたりしたことで、より多くの人に届いているのかもしれないなと実感しました。自分が親になったからかもしれないですけど、『御上先生』を通して、“考えること”の大切さだったり、自分で考えることがどれだけ人を成長させるか、どれだけ自分の選択肢を広げる力を養うことができるかということを教わったし、それをちゃんと自分の人生にも反映させたいなと思いました」

 奇しくも今作でパディントンも能動的に自分で“考えて”行動している。「そうなんですよ。パディントンも考えて動いてますから。なんかこうつながってる感じがします」と笑う。

 「御上先生」に出演したことが「一つの大きな転機になった」という。

 「本当にすてきな現場で、監督もカメラマンも僕と年齢がそんなに変わらず、一つとか二つ差ぐらいだったんです。プロデューサーの飯田和孝さんが40代前半で。自分の年齢(36歳)と本当に近しい人たちと一緒に作れたこと、熱量のようなものを形となって残すことができたのは、自分にとっての大きな転機になったと思います」

 最後に「パディントン」について、前作から7年ぶりに公開された新作にちなんで、7年後を予想してもらった。

 「43歳ぐらいですよね。大河ドラマ(2027年放送予定の『逆賊の幕臣』)も終わって、何してるんでしょうね……。多分、今とそこまで考えが大きくは変わらないと思うので、10代、20代の頃は仕事中心でしたが、多分自分の人生が中心になるんじゃないかなと思います」と思い描いていた。

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