ばけばけ:第6回の注目度推移 最高70.1%の「午前8時1分」はトキが呆然自失となった第5回と同じ「あの場面」

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
1 / 2
連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第6回(10月6日放送)で、テレビの前の視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は冒頭午前8時1分の70.1%だった。

あなたにオススメ

 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇最高値は午前8時1分の70.1% 恋占いの思わぬ結果に呆然自失のトキ

 貧乏脱出のため結婚を目指すトキ(高石さん)は前回の第5回で、チヨ(倉沢杏菜さん)とせん(安達木乃さん)を誘い、縁結びで有名な八重垣神社で恋占いをした。第6回は、その後日談だ。占い用紙がなかなか沈まず、「縁が遅い」という結果が出たことに気落ちするトキを司之介(岡部たかしさん)とフミ(池脇千鶴さん)が励まし、必ずいい見合い相手を探すと約束する。

 テレビ画面の前にいる人のうち、画面を実際に注視している人の割合を調べた「注目度」は、ドラマが始まって間もなく高い注目度を示したものの、その後はやや低迷する「序盤シフト」型となった。

- 広告 -

 ドラマは前週金曜に放送された第5回の終盤、八重垣神社の恋占いの場面の振り返りから始まる。番組が始まる午前8時0分は68.9%だった注目度が、午前8時1分にはこの日の最高値70.1%に跳ね上がった。午前8時1分は、なかなか沈まない占い用紙に「沈め!沈め!」とトキが願う場面辺りから。向こう岸でようやく沈んだことに呆然と立ち尽くすトキに、チヨとせんはなぐさめる。「お相手は見つかるけん。何年かかるかわからんけど」。この後、主題歌が流れるオープニングに突入する。

 実は第5回の最高値もこの占いのシーン。視聴者は結果を当然知っているのだが、再びその視線をクギヅケにしたといえる。トキ役の高石さんの固まってしまったような表情がリアルで、笑いを誘う。何度見ても、飽きない楽しいシーンだった。

 オープニングの後は、3回、小さな“山”ができる。最初の頂点、午前8時4分(64.3%)は、落ち込むトキを長屋で司之介が励ます場面。次の午前8時9分(67.2%)は、司之介が牛乳の配達中に飛び込みで、島根県知事の江藤安宗(佐野史郎さん)宅を訪れ、娘の縁談相手を物色する。松江市出身の佐野さんが初めて登場した場面だ。

 三つ目のピークは午前8時14分の66.4%。恋占いで、早々に占い用紙が沈んでいたせんの婿取りが決まり、そのことを聞いたトキが分かりやすい作り笑顔で「えー、占い通りだが、おめでとう。これで暮らしが楽になるねえ」とせんを祝福するやいなや、振り返って、素の呆然とした表情に戻る。たすきを何度も緩めては引っ張るトキにちょっと恐怖すら感じる愉快な場面だった。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

写真を見る全 2 枚

テレビ 最新記事