ばけばけ:家事に戸惑う北川景子の演技 制作統括も舌を巻く 「普段やらないように見えるのがすごい」

連続テレビ小説「ばけばけ」第14回の一場面(C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」第14回の一場面(C)NHK

 高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)。10月16日放送の第14回では、トキ(高石さん)がタエ(北川景子さん)にしじみ汁の作り方を教えるシーンが描かれた。まるで“疑似親子”のような時間を、どう作り上げていったのか。制作統括の橋爪國臣さんに聞いた。

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 トキが傳(堤真一さん)の看病をはじめて3週間。しかし、傳の具合は回復しない。ある日、看病のために夕食を作っていたトキがけがを負ってしまうと、タエは「休んでいなさい。私が作ります。作り方を教えなさい」と言い、貝の“洗い方”すら分からなかったタエが、トキのアドバイスを受けながらしじみ汁を作ることになった。

 このシーンについて、橋爪さんは「北川さんからいろいろと気持ちのご提案があり、監督とも話をしました。北川さんもご自身が母親ですし、養子に出したとはいえ、自分の子供への気持ちってどんなものだろうと。きっと顔には出さないけど、こういう気持ちで(トキと)接するよね、と。2人の距離感、言葉の間合いだったりもすごくディスカッションしてあのシーンを撮りました」と複雑なタエの心情を丁寧に作り上げていった。

 そんなタエは、松江でも随一の名家に生まれ、大勢の女中たちに囲まれながら何不自由なく育った正真正銘の“お姫様”。もちろん家のことは何もできず、家事に戸惑いを見せる北川さんの姿も新鮮に映る。

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 橋爪さんも「本当に普段やらないように見えるのがすごいですよね。本当に何も知らないんだろうなと思わせるあの感じもすごいです」と北川さんの演技に舌を巻いた。

 以前の取材で橋爪さんは雨清水家について、「松江の中でものすごい名家として描きたいと思っていました。夫婦はずっとこの地域のトップをやっていた家の象徴として描きたいなと思っていたので、それ相当に説得力がある人たちが出てくれないと、ちょっと浮世離れした人たちみたいな雰囲気は描けないなと思った」と語っていた。

 演出の村橋直樹さんも「大河ドラマ『どうする家康』(2023年)でご一緒した時に、お市の方と淀君という二役を受けていただいた。本当にどうやっても揺るがない、絶対的な強さのようなものを持っているのに、内心はぐらぐら揺らいでいる人物を好演していただいたので、あのたたずまいをもう一度撮りたいなと思って、お声がけした次第です」と明かした。

 侍の世から明治に、社会情勢で不景気に陥ると、女中たちも雨清水家を離れざるを得なくなってしまった。タエ自身も変化を求められる中、お姫様だった彼女をどのように演じていくのか、北川さんの演技にも注目だ。

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