じゃあ、あんたが作ってみろよ
第9話 おにぎり食べて、元気だせ!
12月2日(火)放送分
高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第34回(11月13日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、ピークは午前8時12分の83.0%で、「ばけばけ」の開始以来の最高値だった。「ばけばけ」で80%を超えたのは第16回の82.0%に続き、2回目。
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「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。
第34回は、トキ(高石さん)がヘブン(トミー・バストウさん)の女中として働き始めたことが松野家の家族にばれてしまう。女中になることで起こる騒動を描く第7週では、最大の見せ場の回だ。注目度も、トキの元夫、銀二郎(寛一郎さん)が突然、行方をくらませた第16回に続き、80%台を記録した。
テレビの前の視聴者のうち、画面に視線がクギヅケになっていた人の割合を示す、第34回の「注目度」は、オープニングの時間帯を除き、開始から緩やかに上昇し始め、午前8時12分に83.0%でピークに。その後は緩やかに下降していくグラフを描いた。途中の過程で、普通の回ならその日の最高値となる70%台を何度も記録。70%を割り込んだのは15分間で2分だけ。シーンごとに、注目度が積み重なっていくような理想的な展開だった。
開始早々、午前8時1分(71.3%)と午前8時2分(70.0%)と2分続けて70%台に突入。この時間は、物乞いとなったタエ(北川景子さん)の前に取材したいと現れた記者の梶谷(岩崎う大さん)からタエを守るため、三之丞(板垣李光人さん)がトキから受け取ったお金を口止め料を渡してしまう場面だ。
主題歌が流れるオープニング後、午前8時4分には70.2%と再び70%を突破。午前8時9分に80%を突破するまで、70%台を上下しながら、次第に注目度は増していく。
まず午前8時4分台は、仕事に向かったトキを松野家の面々が尾行。花田旅館に入ったトキが裏口から出て行くのに気付き、ヘブンの家に入っていくまでを目撃するあたりが午前8時5分台だ。
ついにばれてしまった。まさにそんな場面だ。トキが花田旅館ではなく、ヘブンの家で働いていることがばれた午前8時5分台と、ヘブンの家に踏み込み、台所で家事をするトキをフミ(池脇千鶴さん)が問い詰め始める午前8時6分台がともに74%台とやや高くなったのも納得だ。
「あんな大金もらっちょるんだもん、つまりは……」とフミが尋ねると、観念したトキは、涙を浮かべながら、ヘブンのラシャメン(洋妾)になったことを明かす。この午前8時7分台(71.7%)はやや注目度が下がったが、午前8時8分からトントンと上昇し始める。
午前8時8分台(76.0%)は、勘右衛門(小日向文世)が部屋の奥にいたヘブンに木刀を振りかざし、ヘブンがいる方向へ。司之介(岡部たかしさん)は「娘をだまくらかしたな」と激怒し、錦織(吉沢亮さん)の胸ぐらをつかむ。さて、この先、どうなるのだろう? 視聴者の関心がどんどん高まっていったのだろう。
午前8時9分でついに80.0%と、80%台に乗せると、続く午前8時10分も81.3%を記録した。9分台は、なぜ家族が怒っているのか、ヘブンは訳が分からず、錦織に説明を求めるが、どんどん混乱が深まっていったあたりで、10分台で、錦織がヘブンに、怒っているのはトキの家族で、娘が妾になって喜ぶ家族はいないとようやく事態を説明する。
するとヘブンは「冗談じゃない。ふざけるな」と英語で激高し、日本語で「オトキサン、メカケ……ラシャメン……チガイマス。オトキサン、ジョチュウ! オーケー?」と伝える。一番の場面のように思うが、この辺りの午前8時11分台は78.7%と、なぜかわずかに注目度を下げる。
直後の午前8時12分は注目度が83.0%で、この日の最高値。「ばけばけ」の開始以来でも最高の注目度だ。ここであの一言が飛び出すのだ。
安堵でひざから崩れ落ちるトキ。ヘブンは一生懸命辞書を引き、ようやく発した言葉が「ダキタクナイ」。それを聞いたトキは「はあ?」「それはそれで失礼だけん!」と漏らす。即座にフミは「抱きたいでしょ!」と言い返し、司之介も「そげじゃろが!」。勘右衛門は「ペリー覚悟~!」と木刀を構えてヘブンに斬りかかろうとした。
深刻な場面が、急にコメディーに変わる「ばけばけ」らしい一場面だ。落語家の故桂枝雀さんが笑いが生まれる理由に「緊張と緩和」を提唱したが、まさにこの場面は緊張から一転、緩和に転じた場面で、「ダキタクナイ」という強烈なワードが投じられた。「ダキタクナイ」のセリフがSNSのXでトレンド入りするなど、視聴者が一番注視した場面というのは誰も異論がない場面だったに違いない。
この後午前8時13分と午前8時14分も70%台を維持しながら、ゆっくり注目度は下降していった。ヘブンの家を出た松野家の面々。松江の街で話をしていると、タエ(北川景子さん)の姿を目撃する。3人が黙って尾行する場面で第34回は終了した。次回はどんな内容になるのだろうか?
活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)
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