プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮
第11話 ついに最終回!天音と氷室の因縁に決着!
3月19日(木)放送分
高石あかりさんがヒロインを務めるNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の脚本を担当するふじきみつ彦さん。3月20日放送の第120回では、スランプに陥っていたヘブンが「怪談」を書き上げる姿が描かれた。ドラマの放送は残り1週。3月23日から始まる最終週を前に、これまでの執筆を振り返っての心境や、執筆の裏側について、ふじきさんに聞いた。
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「ばけばけ」は、松江の没落士族の娘・小泉セツとその夫・八雲(ラフカディオ・ハーン)夫妻をモデルに、「怪談」を愛するヒロインが、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく姿を描く。
執筆を始めた頃の心境について、ふじきさんは「オーディションで高石さんがトキ役、トミー・バストウさんがヘブン役に選ばれて、この2人が実在した小泉夫妻になるんだよな……という気持ちで、脚本を書き始めました」と振り返る。
「実際に映像として出来上がったものを見れば見るほど、2人が明治の時代に生きていた小泉夫妻に見えるようになっていきました。きっと本当にこういう人たちだったんだろうなというのが、どんどんリアルに感じられてきて、『すごいものを見ているな』と実感しました。劇中ではいろいろつらいこともありましたが、それを乗り越える2人の姿や、支えてくれる人たちが、物語の中で生きていました」
実在した人物がモデルの作品を書くのは、「ばけばけ」が初めて。ふじきさんは「登場人物がこんなにもいとおしく感じられるものなのかと、たまに自分でもビックリするときがあります」と明かす。
「僕の母親は松江出身で、僕も松江で生まれました。育った町ではないのですが、小泉八雲の旧居があることは子供の頃から知っていて。そんな松江という町に、セツさんと八雲さん、そしてトキやヘブンや回りのみんながいてくれてよかったと、しみじみ思います。それぐらい、高石さん、トミーさんはじめ、『ばけばけ』の人たちが大好きです」
「ばけばけ」と言えば、思わずクスッと笑ってしまうような会話劇も魅力の一つ。トキとヘブンのモデルになった小泉夫妻は、日本語と英語が混ざった“ヘルンさん言葉”という独特の言葉で会話をしていたといい、ふじきさんはそこに面白さを感じたという。
「朝ドラの題材を選ぶ際に小泉セツさんの物語を選ばせていただいたのは、ヘルンさん言葉、出雲弁、時々英語と、あまり見たことのない会話のコミュニケーションが面白そうだったから。ゆっくり噛(か)みしめるような会話になっていくだろうと、なんとなく想定できたので、そこで生まれるおかしみのある会話が描きたいなと思いました。自分の気持ちをいろんな言葉で伝えようとするさまが、おかしみもあるし、いとおしさもあって、自分が思っていた以上でした」
物語の舞台は明治時代ではあるが、ふじきさんは時代劇ということを意識しすぎず、会話を紡いできた。
「時代劇ということを意識しすぎて筆が全く進まなくなってしまったことがあって……。もちろん時代考証の方にも入っていただいているので、『この言葉遣いはないです』ということはどんどん言っていただいて、許せる範囲というものを逆に示していただき、脚本を書いてきました。その範囲内で、自分の『ばけばけ』としての書き方を確立させていただいたという感じです」
松野家らしい会話の方向性が定まったきっかけについては、「第3週まで書いていた脚本を書き直したこと」と裏話を披露する。
「最初に書いた脚本では、トキは武士の娘だからはしゃがないとか、司之介(岡部たかしさん)を立てるためにフミ(池脇千鶴さん)はあまり会話に入ってこないなど、元武家であるという設定にこだわり過ぎて、面白く書けなかったんです。自分でも納得できなかったので、書き直しをさせていただきました。そこから松野家らしい会話劇が定まって、どんどん転がるように書けるようになっていったと思います」
第120回(3月20日放送)では、トキがヘブンに、自分でも読めるような本を書いてほしいと提案し、ベストセラーを書かなければと、どつぼにはまっていたヘブンの視界が開ける。ヘブンはトキの協力を得ながら“怪談”をテーマにした本を書き始め、ついに「怪談」を完成させた。
「怪談」は小泉八雲の代表作の一つであり、亡くなる直前に出版された作品。そんな作品を第24週で書き上げる展開について、「最初に25週分の大まかなあらすじを考えたときから、もともと決めていました」と明かす。
また、小泉セツが八雲との夫婦の思い出をつづった著書「思ひ出の記」も最終週で登場するという。
「ヘブンさんが亡くなった後、トキが自分の人生を振り返る術として『思ひ出の記』を書いていく展開は、僕とスタッフの中で、あらかじめ決めていたこと。セツさんのエピソードは『思ひ出の記』に書いてあること以外、資料としてはほぼ残っていないので、その中に書いてある夫との思い出は最終盤で扱いたいなと考えていました」
最終週については、「『思ひ出の記』に合わせて『ばけばけ』を書いてきたわけではないですが、素直に脚本を書いて、素直にトキとヘブンが生きていったら、最後にはちゃんと『思ひ出の記』とつながる2人に着地できました。そこの展開がうまくいって良かったですし、ホッとしています。ぜひ最終週を楽しみにしていただければ幸いです」と呼びかけた。




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