6日放送の歴史番組「歴史秘話ヒストリア」(NHK総合)で、太平洋戦争時に建造され、ハワイ沖の海底に沈んでいる旧日本海軍の“幻の潜水艦”の伊400の映像が公開される。太平洋戦争時に世界最大と言われていた潜水艦で、戦後に米軍にハワイ沖で海没処分されたが、約70年の時を経て、その姿が明らかになる。伊400の映像がテレビで放送されるのは初めてで、折り畳み式の攻撃機・晴嵐(せいらん)が入る全長約30メートルの格納筒などの映像が世界初公開となる。
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伊400は、米国本土を攻撃するために、1944年12月に広島県呉市で竣工された潜水艦で、同時期に作られたドイツの潜水艦・Uボートの約2倍の全長約122メートルを誇る。原子力潜水艦が登場するまで世界最大のサイズの潜水艦だったと言われている。折り畳み式の攻撃機を3機搭載できるのが特徴。作戦中に終戦を迎え、戦後、米軍にハワイ沖で海没処分され、行方不明となっていた。2013年8月にハワイ大海洋調査研究所の調査でオアフ島の南約30キロ、水深約600メートルの海底で発見された。
NHKとハワイ大海洋調査研究所は14年10月、共同で調査を行い、伊400の姿をハイビジョン映像で記録した。番組では、復元CGを制作したり、当時の乗組員のインタビューなども行い、“幻の潜水艦”の実像に迫る。格納筒のほか、攻撃機を飛ばすカタパルト、艦長らが指揮を執る司令塔などが世界初公開となる。
旧日本海軍の艦艇に詳しい大和ミュージアム(広島県呉市)の戸高一成館長は、伊400の映像が公開されたことについて「伊400は図面など資料が残っているが、資料だけでは分からないことがある。映像を撮影できたことは、とても意味があること」と話している。
また、旧日本海軍の艦艇と言えば、伊400の同型艦の伊401も登場するゲーム「艦隊これくしょん -艦これ-」が人気を集めており、番組を手がけた木道壮司チーフプロデューサーは「『艦これ』のことは意識しています。若い方にも番組を見ていただきたい」とコメント。戸高館長は「この番組や『艦これ』のようなゲームやアニメが、歴史に接触するきっかけになることは悪いこととは思わない。歴史について調べるきっかけになれば、それが平和教育にもつながるかもしれない」と話している。
「歴史秘話ヒストリアスペシャル 幻の巨大潜水艦 伊400~日本海軍 極秘プロジェクトの真実~」はNHK総合で6日午後10時から放送。
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