女優の井上真央さんが主演を務めるNHK大河ドラマ「花燃ゆ」が13日、最終回を迎える。数々の苦難を乗り越え、群馬県初の県令(現在の県知事)の楫取素彦(大沢たかおさん)と再婚した美和(井上さん)。井上さんは最終回について「これまで悲しいシーンも多かったけど、時代の流れの中で日本が変わっていく、未来への希望が描かれています」と語る。撮影を終えて「強くなれた」と話す井上さんに「花燃ゆ」への思いや最終回の見どころを聞いた。
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「花燃ゆ」は、幕末の長州藩士で思想家の吉田松陰(伊勢谷友介さん)の妹・文が主役のオリジナル作品。文は長州藩の尊王攘夷派の中心人物・久坂玄瑞(東出昌大さん)と結婚し、久坂が死去した後は、群馬県初の県令の楫取素彦と再婚した人物。文は美和と名を改めている。
井上さんは、2014年8月5日にクランクインし、15年10月14日に1年以上におよぶ撮影を終えた。大河ドラマの撮影は“日本一過酷”ともいわれるほどで、井上さんは「職員のように撮影のためにNHKに通っていた」といい、「最終回の放送はありますが、(撮影は)すべてが終わってほっとしています。ゆっくり過ごさせていただいています。温泉に行きたいと思っていたので、撮影が終わって行ってきました」と笑顔で語る。
また、撮影を終えて感じたことを「最終的には自分との戦い」と話す。「感情をコントロールして、自分の弱いところに向き合うことになる。自分と向き合うことで、客観的に自分を見ることができる。人間関係を築きながら、みんなで一つのものを作ることの大切さも感じました。前よりも動じなくなり、強くなれました」と成長を実感しているようだ。
最終回について「盛りだくさんで最後まで盛り上がります」と話す井上さん。放送前から話題になっているのが、楫取と美和が鹿鳴館で踊るシーンで、井上さんが「衣装、セットが豪華で、1日で撮影したのですが、セットをバラすのがもったいなくて……」と話すように、華やかな映像になっている。
美和は、兄・吉田松陰や最初の夫・久坂玄瑞の死、時代の変化などさまざまな苦難を乗り越えてきたこともあり、鹿鳴館のシーンの撮影は「美和が幸せになれたと実感できて、うれしかった。ただ、ドレスが重くて……。最後の力を振り絞って撮影しました」と感慨深かったという。
美和と楫取は、鹿鳴館に遊びにきたわけではなく、有力者に群馬の鉄道建設の資金援助を訴えるのが目的だった。伊藤博文(劇団ひとりさん)など成長した仲間との再会も描かれ、美和は、鹿鳴館でも人と人をつなげていく。井上さんが「これまで悲しいシーンも多かったけれど、時代の流れの中で日本が変わっていく、未来への希望が描かれています」と話すように、これまでの集大成となっている。
「近所の人に『終わらないでほしい。まだまだ見たい』といわれたこともありました。これ以上、撮影があったら、私が死んじゃう」と笑顔で話す井上さん。「花燃ゆ」は最終回を迎えるが、“成長”した井上さんの今後の活躍も期待される。
「花燃ゆ」の最終回「いざ、鹿鳴館へ」はNHK総合で13日午後8時ほかで放送。
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