WOWOWは、毎週金曜午後10時に「ノンフィクションW」枠を設け、オリジナルのドキュメンタリー番組を放送中だ。この枠では、見る人を新しい世界へと誘うフルハイビジョンの“ノンフィクションエンターテインメント”番組をWOWOWプライムで毎週、テーマを変えて放送している。5月9日に放送される「萩本欽一 73歳 覚悟の舞台へ~『THE LAST ほめんな ほれんな とめんな』完全密着~」を担当したWOWOW制作部の戸塚英樹部長とテレビ朝日映像の三ツ木仁美ディレクターに、番組の魅力を聞いた。
ウナギノボリ
「光る君へ」より昔! 最も古い時代の大河ドラマは? 1976年「風と雲と虹と」のあらすじ
−−番組の概要と魅力は?
コメディアン萩本欽一さんの最後の舞台に完全密着。笑いの舞台から去る理由、数々の伝説的ヒット番組を作ってきた彼が、笑いを生み出すときの苦悩や葛藤、執念などを取材。普段、見ることができない欽ちゃんの裏側が詰まっていると思います。
−−今回のテーマを取り上げたきっかけと理由は?
ここのところ、一時代を築いた方が引退や卒業するという報道が続いていました(宮崎駿監督が長編アニメーション製作を引退、タモリさんの「笑っていいとも!」卒業など)。超一流の人が、その幕を引くときとはどんなものか……とその瞬間をカメラに収めたいと思い、企画を提出しました。
−−制作中、一番に心がけたことは?
“良い物は遠いところにある”“普通の人と同じ事をしていたら面白いものは生まれない”……萩本さんがよくおっしゃる言葉です。だから、私もいわゆる普通に取り上げられる欽ちゃんの番組とは違うものを作りたいと思い、努力しました。取材内容ももちろんですが、過去の映像を選ぶときも、普段あまり見ることができない貴重な映像を選ぶようにしました。
−−番組を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったエピソードは?
うれしかったことは、欽ちゃんは、浅草での修業時代の名残で、メークも着付けも自分一人でされます。欽ちゃんが着物の帯を締める姿が格好よく、個人的に好きでした。千秋楽、舞台の途中で着くずれがおきました。最後ということもあり、舞台袖に戻った数十秒の間に、ササッと帯を直して、さっそうと舞台に出て行った姿が、とてもすてきで、こういう姿を見ることももうできないんだと思うと、感慨深かったです。また、ナレーション収録中、柳葉敏郎さんが感極まって涙されたことも制作者冥利に尽きました。
大変だったことは、笑いに対する欽ちゃんの話が奥深すぎて、理解するのに数日かかることもあったことです。一度撮影したテープを書き起こして、それをもう一度読み直して、やっと理解できたことも少なくありませんでした。
−−番組の見どころを教えてください。
他の番組では、絶対に見ることができないシーン。それは、萩本さんと、脚本家・君塚良一さんの緊迫したやりとりです。かつて子弟関係だった2人が、最後の舞台ということで10年ぶりに仕事を共にします。お互い一時代を築いた2人がぶつかり、共に物語を生み出す場面は、非常に見ごたえがあると思います。また、それをお二人と関係が深い柳葉敏郎さんがナレーションをしているという点も、通の視聴者が多いWOWOWならではの試みだと思います。
−−視聴者へ一言お願いします。
ディレクターだけではなく、制作に関わるすべての人間が、自分たちの力を尽くした番組だと思います。萩本さんが、舞台を去る姿は圧巻です。見終わったあとには、何か感じてもらうことができるのではないかと思ってます。
WOWOW 制作部 部長 戸塚英樹
テレビ朝日映像 ディレクター 三ツ木仁美
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