阿部寛:樹木希林と2度目の親子役「どっぷりやれてうれしい」 是枝監督も「見事」と絶賛

名古屋市内で映画「海よりもまだ深く」の会見を行った阿部寛さん(左)と是枝裕和監督
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名古屋市内で映画「海よりもまだ深く」の会見を行った阿部寛さん(左)と是枝裕和監督

 俳優の阿部寛さんが5日、名古屋市内で映画「海よりもまだ深く」(是枝裕和監督、21日公開)の会見を行った。樹木希林さんと、是枝監督の「歩いても 歩いても」(2008年)以来の親子役を演じた阿部さんは「(樹木さんと)またやらせていただきたいと思っていたので、どっぷり親子役をやれてうれしかった」といい、「(自分が演じた)ダメ息子をいとおしく思ってくれるのが、演じる上でありがたかった」と振り返った。

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 映画は、妻に愛想を尽かされ、一人息子の養育費も払えない、自称作家のダメ男、良多(阿部さん)が主人公。ある日、良多の母(樹木さん)の家に集まった、良多と、別れた元妻の響子(真木よう子さん)と息子が、台風のために帰れなくなり、一晩をともにすることになる……という物語。阿部さんは是枝監督作品で3度目の主演。良多という名前のキャラクターを演じるのも3度目で、良多には是枝監督自身が投影されているという。

 阿部さんは、樹木さんに対し「感性がすごい」と敬服の様子。2人で外を歩くシーンが好きだといい、「後ろ姿とか、なにげないところでの距離。そこにこの親子の何とも言えない関係性が出ている」としみじみと語った。

 また会見には是枝監督も出席。「歩いても 歩いても」を撮影した後、「もう一度、阿部さんと樹木さんの親子を撮りたい」と脚本作りが始まったといい、2人が演じた親子像について「見事」と絶賛。今回は「“背中の丸まった人間”たちの話をリアルにやってみたいと思って書いた」といい、「阿部さんがやってくれれば、なにかしら笑える感じを出してもらえるだろうと思った」と述懐。「阿部さんがやり込められている感じがいい。母、姉、元嫁に責められていて、いたたまれないんだけど笑える。希林さんは緩急の変化がすごくてリアル。阿部さんはその緩も急も受け止めている」とたたえていた。

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