俳優の阿部寛さんが8日、東京都内で行われた映画「海よりもまだ深く」(是枝裕和監督、21日公開)の“母の日”トークイベントに登場。主人公のダメ男を演じている阿部さんは、自身の「ダメ男エピソード」を聞かれると「25(歳)くらいまで実家にいたんですが、(母の日に)カーネーションを渡したこともなかった。母親は父親よりも強かったので、母親にはわがままだったり、冷たく当たったり、ある年齢までしていたと思う」と反省し、締めのあいさつでも「(母親には)迷惑ばかりかけて、つらい思いをさせた。この作品もきっと(天国で)見て、何か思ってくれるんじゃないかな」と瞳を潤ませながら思いをはせた。
ウナギノボリ
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イベントには主人公の母親を演じた女優の樹木希林さんや是枝監督、主題歌「深呼吸」を歌う「ハナレグミ」ことミュージシャンの永積タカシさんも登場。この日は樹木さんに阿部さんから200本のカーネーションが贈られたが、樹木さんは「こんな花を買うお金があったら……、どうにかならないのっていうのが本当の気持ちです」と相変わらずのマイペースぶりを発揮。さらに樹木さんは「どうせ今日までお母さんに(カーネーションを)あげていない人もいるでしょう。私からということで1本ずつ、みなさんに」と言いながらステージから降りて、観客にカーネーションを一人一人に手渡し始めると、最後には「(この花を)受付に用意してもらって、欲しい人がいたら持って帰ってください」と提案し、会場は拍手に包まれた。
映画は、「そして父になる」「海街diary」の是枝監督最新作で、台風の夜に、偶然一つ屋根の下に集まった“元家族”による感動の物語。笑ってしまうほどのダメ人生を送る中年男・良多(阿部さん)は、15年前に文学賞を1度とったきりの自称作家で、今は探偵事務所に勤め、周囲にも自分にも「小説のための取材」と言い訳ばかり。元妻の響子(真木よう子さん)には愛想を尽かされ、息子・真悟(吉澤太陽さん)の養育費も満足に払えないくせに、彼女に新しい恋人ができたことにショックを受けている。そんな良多の頼みの綱は、団地で気楽な独り暮らしを送る母の淑子(樹木さん)だけだったが、ある日、たまたま淑子の家に集まった良多と響子と真悟は、台風のため翌朝まで帰れなくなり……というストーリー。
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