中島健人&平野紫耀:「バディーを組んで最強になる2人」 キャスト、スタッフ全員に手紙も 「未満警察」Pが語る役者としての“素顔”

連続ドラマ「未満警察 ミッドナイトランナー」のメインビジュアル=日本テレビ提供
1 / 1
連続ドラマ「未満警察 ミッドナイトランナー」のメインビジュアル=日本テレビ提供

 9月5日にいよいよ最終回を迎える連続ドラマ「未満警察 ミッドナイトランナー」(日本テレビ系、土曜午後10時)。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けながらも、約半年にわたって本作を引っ張ってきたのが、ダブル主演を務める人気グループ「Sexy Zone」の中島健人さんと「King & Prince」の平野紫耀さんだ。2人は初共演ながらも、視聴者から“カイジロ”として親しまれるバディーを作り上げ、視聴者からも「すてきなバディー」「一生同期でいて」などの声が上がった。本作でバディー役を務めた中島さんと平野さんについて、ドラマを手がける藤村直人プロデューサーは「バディーを組んで最強になる2人」だと語る。役作りや現場での様子など、2人の役者としての“素顔”を聞いた。

ウナギノボリ

 ◇「座長感」と「繊細さ」 2人による居心地の良い現場作り

 “頭脳派”の本間快(中島さん)と“行動派”の一ノ瀬次郎(平野さん)という凸凹バディーの成長を描いた本作。劇中では本間がプロファイリング能力を、一ノ瀬が身体能力を生かしながら、事件解決に立ち向かってきたが、現場での中島さん、平野さんはそれぞれどのような役割を果たしていたのだろうか。

 藤村さんは、2人について語るうえで共に「気遣い」というキーワードを挙げた。「中島さんは映画やドラマの主演経験も多く、座長という立ち位置が身についている感じがありました。共演者はもちろん、パッと座組みに入ってくるゲストの方、スタッフにも積極的に話しかけていました」と明かす。平野さんもまた、周囲の人々に話しかける姿が印象的で、現場での振る舞いなどから「繊細な一面を持っていて心配りができる方」だと感じたという。

 また、軽妙な掛け合いを繰り広げるドラマでの“カイジロ”のように、中島さんと平野さんの会話で現場が和む瞬間が多々あり、「2人ですごく雰囲気作りを頑張ってくれていました。キャスト、スタッフ共にとてもやりやすい環境だったと思います」と振り返る。

 自粛期間中には「キャスト、スタッフ全員に2人が『頑張りましょう』と手紙を書いてくれた」といい、「皆本当にうれしかったと話していました。特に伊勢谷友介さん、原田泰造さん、吉瀬美智子さんら大人キャストは感心していましたね。2人の作品に対する情熱、誠実さが伝わりました」と愛のこもったエピソードを語ってくれた。

 ◇中島健人&平野紫耀は「バディーを組んで最強になる2人」

 今回のバディー役に2人を起用した理由について、藤村さんは中島さんの「研究力」、平野さんの「自己分析力」がカギとなったと話す。実際の役作りにおいて、中島さんは「予想以上に本間を研究していた」といい、平野さんは「天然で明るいイメージでしたが、現場での集中力がすごい。一ノ瀬はどこか本人っぽく見えるけれど、そこにはちゃんと計算があって、“計算した一ノ瀬”を作り出すうえで、普段の自分がどう見えているのか分析していました」とギャップを明かした。

 さらに「2人とも本当によく考えて役を作ってくれた」と感服。物語は後半になるにつれて重みのある内容になり、特に第6話から描かれた「逆襲編」ではシリアスな場面が続く撮影となった。その中でも中島さんと平野さんは、常に「バディーとしての見せ方」を意識していたという。

 「2人はかなり相談を重ねて、どこまで感情を出していくかというバランスを大事にしていました。ここで爆発させすぎてはいけないとか、どちらかが爆発したらもう一方は抑えるとか、一人が突出せずバディーとして成立するように、細かい部分まで考えていた」と話し、「俳優としての2人の成長を感じましたし、それがしっかりと映像にも反映されていたので素晴らしかった」と称賛した。

 ドラマでは互いにないものを持つ本間と一ノ瀬が、足りない部分を補い合うことで力を発揮してきたが、藤村さんによると、実際の中島さんと平野さんの関係性ともリンクしていたといい、「“カイジロ”のグーパータッチのようにパズルがピタリとはまる感じがあって、バディーを組むことで最強になる2人だった」と力強く語った。

 ◇中島健人が考える“俳優”としてできること 「リモート未満警察」の裏側

 ラストスパートに突入する第9話の放送前には、公式サイト上で中島健人さん発案の動画企画「リモート未満警察」が展開された。第8話で本間と一ノ瀬が過ごす寮の部屋の窓に、「スコップ男の事件から手を引け」とメッセージが残された夜の出来事を全5回で描いた物語で、本間と一ノ瀬によるリモートでのやり取りが展開された。

 始まりは中島さんからの企画書がきっかけだった。藤村さんによると、中島さんは自粛期間中、本作の宣伝についてなど自分が俳優としてできることを考え、公式サイトでもさまざまな動画企画を公開していたことから、配信を使ったコンテンツに的を絞ったという。また、コロナ禍でも実現できるようにとリモート形式を提案し、「リモートであれば撮影の合間にも進められますし、監督、プロデューサー一同感動しました」と振り返る。

 動画は「中島さんのアイデアと2人の掛け合いによる“ほぼ即興劇”」で制作された。「もちろん構成案はありましたが、半分ぐらいがアドリブでした。もともと1分程度の予定だった尺も、出来上がった映像が面白く、ほとんどそのまま使って3分くらいの動画になりました」と裏側を明かす。「2人の関係が出来上がっていたからこそ成立した企画だったと思います」と、ここでも抜群の“バディー力”を発揮したようだ。

 ◇困難を乗り越えて迎えた“完走” 2人の今後には可能性と期待

 2月のクラインクインから緊急事態宣言による撮影休止期間を挟み、約半年間にわたって続いた現場が先日ついにクランクアップを迎えた。藤村さんは、ダブル主演として駆け抜けた中島さん、平野さんの様子について「何よりもまずは完走できた喜びをかみしめていましたね。最後までドラマが放送されるのか、緊張感も抱えていたと思うし、すごくホッとしていたようでした」と語る。また、「2人ともお互いがいなかったら役が成立しなかったと言っている姿を見て、本当に“2人で作り上げた役”だったと身に染みて感じた」と感慨深げに話した。

 最後に藤村さんは、今後の“俳優”としての中島さん、平野さんへの思いを明かしてくれた。「中島さんは俳優として『作る視点』を持っている。それを生かすことでさらに役の幅も広がっていくと思うので、さまざまな視点から役を作っている姿を見てみたい」と望む。

 一方、「平野さんは今回で、パブリックイメージとは違う、ストイックに集中して考え抜く一面を知りました。あとは俳優として反射神経が良く、瞬発力があった。一ノ瀬のリアクションや表情は平野さんのアイデアで作っていった部分も大きかったです。ぜひ、いろいろな役に挑戦して、違った平野紫耀を見せてほしい」とエールを送った。

 「2人ともすごく素直で、吸収力にもたけているので、今後にますます可能性を感じています。アイドルグループと俳優を確実に両立していける2人だと思うので、これからの活躍も楽しみです」と期待を膨らませた。

テレビ 最新記事