鎌倉殿の13人:佐藤二朗「暗部を輝かせることができるのは俳優の醍醐味」 “敗者”比企能員への思いも

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のイベント「プレミアムトーク in 埼玉~比企一族スペシャル~」に登場した佐藤二朗さん(後列右)ら=NHK提供
1 / 1
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のイベント「プレミアムトーク in 埼玉~比企一族スペシャル~」に登場した佐藤二朗さん(後列右)ら=NHK提供

 NHKの大河ドラマ鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)で、比企能員を演じる佐藤二朗さんが、8月7日に東松山市民文化センター(埼玉県東松山市)で開催されたイベント「プレミアムトーク in 埼玉~比企一族スペシャル~」に登場。佐藤さんは「比企一族は歴史的な敗者で、あまり教科書に載っているような人たちではない」と話しつつ、「でも僕は(NHKの歴史番組)『歴史探偵』のMCをやっているというのもあって感じるんですけど、歴史であんまり描かれてない、フィーチャーされない暗部とか、そういう影の部分を輝かせることができるのは俳優の醍醐味(だいごみ)の一つですよね」と思いを語った。

ウナギノボリ

 イベントには、比企尼役の草笛光子さん、比企時員役の成田瑛基さんが出演。せつ役の山谷花純さんもサプライズ登場した。

 佐藤さんは比企一族について「ただ史実の上では比企は敗者なので、能員がもっとちゃんと人の意見を聞けばよかったのかなとか、いろいろ思いはありますけどね」と複雑な心境を吐露。

 一方、草笛さんは「私は比企の家族になれてとてもうれしいですし、誇りです」ときっぱり。「“比企”という名前だけで少し、“上つ方(身分の高い人)”に見えますでしょう。それに、私は比企尼という人について、このごろやっと気がついたんですけど、すごい女性だったんです。頼朝を育てた、比企という家を育て上げた中世日本のすごい女性、と紹介されていた本を読んで、『ああ、私、間違った演じ方をしちゃったかな』と思うくらい。器の大きな、たっぷりとした人で、余計なことは言わないけどちゃんと要所要所に目が届いていて。頼朝のためにこの人たち(比企一族)も全部引き連れちゃうんですよね。みんなで頼朝を持ち上げた家族だったんです」と胸を張った。

 「鎌倉殿の13人」は61作目の大河ドラマ。脚本は、2004年の「新選組!」、2016年の「真田丸」に続き3度目の大河ドラマ執筆となる三谷幸喜さんで、後の鎌倉幕府の二代執権・北条義時(小栗旬さん)が主人公。野心とは無縁だった若者が、いかにして武家の頂点に上り詰めたのかを描く。

テレビ 最新記事