窓ぎわのトットちゃん:劇場版アニメ 役所広司が小林先生に 両親は小栗旬&杏 担任の大石先生に滝沢カレン

劇場版アニメ「映画『窓ぎわのトットちゃん』」に声優として出演する(上段左から)役所広司さん、小栗旬さん、杏さん、滝沢カレンさん(C)黒柳徹子/2023映画「窓ぎわのトットちゃん」製作委員会
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劇場版アニメ「映画『窓ぎわのトットちゃん』」に声優として出演する(上段左から)役所広司さん、小栗旬さん、杏さん、滝沢カレンさん(C)黒柳徹子/2023映画「窓ぎわのトットちゃん」製作委員会

 黒柳徹子さんの自伝的小説「窓ぎわのトットちゃん」(講談社)が原作の劇場版アニメ「映画『窓ぎわのトットちゃん』」(八鍬新之介監督、12月8日公開)に俳優の役所広司さん、小栗旬さん、杏さん、滝沢カレンさんが声優として出演することが分かった。役所さんはトットちゃんが通うトモエ学園の校長である小林先生(小林宗作さん)、小栗さんと杏さんはトットちゃんの両親、滝沢さんはトットちゃんの担任の大石先生をそれぞれ演じる。

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 小林先生は、転校前の学校ではなじむことができず「困った子」と言われ落ち込むトットちゃんに手を差し伸べ、トモエ学園の生徒として迎え入れる。小林先生を演じる役所さんは「声の仕事は本当に難しいのでちゅうちょしましたが、台本を読ませていただきとても感動しましたし、戦争というものを子供たちがどう感じていくのかは普遍的なテーマでありますから、やはりこういったお話はたくさんの方に見ていただきたいなと思い参加をしました」とコメント。

 小林先生は、当時では異色ではあったものの、豊かで自由な考えを生徒たちに教える独自の教育方針を持つ存在で、「妻の母親が小林先生にリトミック体操というのを教わった経験があり『素晴らしい先生だ』という話はよく聞いていました。お会いしたことはありませんが、以前から小林先生を存じ上げていたので今回演じさせていただくことを、非常に光栄に思っています。この作品は戦争というものについてあらゆる痛みを伝えてくれる物語になっていると思います。子供から大人まで皆さんが楽しめますし、本当にメッセージが伝わる素晴らしいアニメーションになっていると思います。ぜひ、劇場で見てください」と話している。

 バイオリン奏者だったトットちゃんのパパ(黒柳守綱さん)を演じる小栗さんは「黒柳さんとお話しした際に、『当時は日本で一番のバイオリニストだったと言われていた父です』と伺ったので、芸術家としての雰囲気を出せたらいいなと思い演じました。僕もトットちゃんと同じように小学生の時に、厳しさの中にも優しさがあって、しっかり向き合ってくれるすてきな先生と出会いました。ご覧いただく方々にも『こういう出会いが起きたらいいな』と感じてもらえるとうれしいです」と語っている。

 「黒柳さんはさまざまな経歴をお持ちで、人生を謳歌(おうか)されているイメージがあります。黒柳さんの持つパワフルな部分であったり、エネルギッシュな部分であったり、好奇心旺盛な部分であったりがものすごく詰まった作品になっていると思います。想像しているよりも、よりすてきなアニメーションの世界観で表現されていると思いますので、ぜひご期待ください」とコメントを寄せている。

 トットちゃんのママ(黒柳朝さん)を演じる杏さんは「黒柳さんとは家族ぐるみでお世話になっておりますので、オファーをいただいてうれしかったです。トットちゃんのおてんばな姿や、ママ・パパの姿が映像になることが楽しみですし、何より自由が丘の街並みや電車の風景など、古き良き日本が表現されているので、当時にタイムスリップしたような気持ちになれるのではないかと思います」とコメント。

 「原作はもちろん子供の頃から読んでいました。大人になって、また親になってから読み返すことで周りの大人たちの姿が見えてきて、『この方たちのようなことを言える大人になりたい』という視点を持ちました。世界中のベストセラーで恐らく読んだことがある方も相当多くいらっしゃると思います。もちろん原作を知らない方でも楽しんでいただけますし、原作を知っている私も『こんなことが本当にあったんだ!』と感じられました。学校の中に電車を置くなど独特で最先端な考えをお持ちの小林先生の教育方針が映像化されることに感激しましたし、またどこかにトモエ学園が復活しないかなと思ってしまいました。子供たちや子供たちを囲む大人の方々にはぜひ、見ていただきたいなと思います」と思いを語っている。

 大石先生を演じる滝沢さんは「オファーいただいた時は嘘かと思いましたし、私の人生の中で信じられない現実のひとつに入りました。すごく大好きで、家族全員が憧れている徹子さんが歩いてきた人生の物語の中に自分が入れることが本当にうれしいです。徹子さんの物語を最高のものにしたいという思いで大石先生を演じさせていただきました。映画の台本を読ませていただいた際に最後のページは涙なく読めなくてつらくなってしまう部分もありましたが、明るいだけじゃないというところがまさに人生のようで、私にはすごく響きました」と話している。

 「徹子さんの歩んできた人生が1ページ1ページになっていて、それがアニメという目に見える形になって私たちの前に出てきてくれるスペシャル大サービスなお話だと思います。見にいらっしゃる方々のご年齢や環境、自分が喜怒哀楽のどこの部分にいるのかで本当に全然違う物語になってくると思いますし、そこに徹子さんの喜怒哀楽も入ってくるので、映画館を出た後は自分が四つの感情で当てはめていたもの以上のいろいろな感情を持って帰ることができると思います。私は生きる楽しさや生きているからこそできること、そして勇気をもらえました。みなさんにもこの作品をご覧になって、明日への楽しみや幸せと出会ってもらえたら私も幸せだなと思います」とコメントを寄せている。

 「窓ぎわのトットちゃん」は、第二次世界大戦が終わる前の激動の時代を背景に、黒柳さんが自身の幼少期を自伝的に描いた小説。何事にも好奇心旺盛で話好きな小学1年生のトットちゃんは、落ち着きがないことを理由に通っていた小学校を退学になり、東京の自由が丘に実在したトモエ学園に転校する。大人が驚くほど強烈な個性を発揮するトットちゃんの日常や、ユニークな校風のトモエ学園での先生、友人たちとの出会いが描かれた。1981年に出版され、国内の累計発行部数は800万部以上。世界各国でも中国語、英語、仏語、ヘブライ語など20以上の言語で出版され、世界累計発行部数は2500万部を突破している。

 「映画『窓ぎわのトットちゃん』」は、「窓ぎわのトットちゃん」の初の映像化作品。「映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 ~ペコと5人の探検隊~」などの八鍬さんが監督を務め、八鍬さんと鈴木洋介さんが脚本を手掛ける。「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」シリーズでキャラクターデザインや原画を担当してきた金子志津枝さんがキャラクターデザインを担当する。「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」などのシンエイ動画が制作する。子役の大野りりあなちゃんが、小学1年生のトットちゃん(=黒柳さん)の声優を務める。

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