松本潤さん主演のNHK大河ドラマ「どうする家康」(総合、日曜午後8時ほか)の最終回「神の君へ」が12月17日に放送された。同回では、豊臣を滅ぼし、豊臣に嫁いでいた孫の千姫(原菜乃華さん)に恨まれながらも、太平の世の礎を築く家康(松本さん)が描かれた。脚本の古沢良太さんに、終盤の家康を描くにあたり、こだわったことを聞いた。
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心を鬼にして豊臣を滅ぼし、夢であった「戦なき世」をかなえた家康。しかし、その代償として、孫の千姫を始めとする多くの人から憎まれ、恐れられる存在となった。古沢さんは終盤の家康について「平和を成すために、幸せを捨てた」と話す。
「悲願であった戦なき世を成し遂げ、戦争に明け暮れる人生からやっと解放された家康ですが、でもそれは決して晴れやかなものではなかった。平和と引き換えに、たくさんの恨みを買って成し遂げた。終盤の家康は、彼本来の優しさとかを飲み込んで生きていて、人間らしさを捨てているようで……。その結果、大坂方からは『腹黒いタヌキ』と呼ばれ、人々からは人ではない神のように畏敬(いけい)される。そういう解釈で僕は描いていました」
撮影終盤、そんな家康について、松本さんが「かわいそう」と話していたという。
「最後の撮影の際、松本さんが『家康ってすごくかわいそうな人ですね』とおっしゃってて。たしかにそうですよねって。天下を取ってかわいそうと思われるって、多分これまでにないでしょうから、この松本さんの言葉で、何か新しい家康像を描けたのではないか自信を持てました」
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