内田有紀:池脇千鶴と心理サスペンス 女性同士のお芝居は快感「たまらなくゾクゾク」 

5日にNHK・BSプレミアムでスタートする連続ドラマ「はぶらし/女友だち」のワンシーン=NHK提供
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5日にNHK・BSプレミアムでスタートする連続ドラマ「はぶらし/女友だち」のワンシーン=NHK提供

 女優の内田有紀さんと池脇千鶴さんが出演するNHK・BSプレミアムの連続ドラマ「はぶらし/女友だち」が5日スタートする。「一晩泊めてほしい」と懇願する旧友を自宅に招き入れてしまったことをきっかけに、主人公の女性が体験する泥沼の日々を描く心理サスペンス。女性同士のお芝居が「大好き」で、「たまらなくゾクゾクしてやりがいがある」と語る内田さんと、そんな内田さんがこのドラマでの共演を何より楽しみにしていた池脇さんに、作品への思いや役への印象などを聞いた。

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 ドラマは、近藤史恵さんの小説「はぶらし」が原作。人気脚本家の真壁鈴音(内田さん)の元へある日、故郷・静岡の女子高合唱部で共に青春を過ごした旧友の古澤水絵(池脇さん)が、幼い一人息子を連れて突然、訪ねてくる。仕事も金も住む家さえも失い「一晩だけ泊めてほしい」と懇願する水絵を、鈴音は懐かしさも手伝って自宅に招き入れてしまうが、それは最悪な同居生活の始まりだった……というストーリー。金子ノブアキさんや市川実和子さん、尾美としのりさんも出演する。

 ◇受け身の芝居はストレスたまる?

 水絵の登場によって平穏な日常が侵食されていく主人公の脚本家・鈴音を演じた内田さん。撮影が終わって最初に「鈴音を演じている間、すごくストレスを感じていた」ことに気づいたという。「水絵の行動に対してリアクションをし続けるという、受け身のお芝居をずっと繰り返していたので。受け身の生活をしている人って、こんなにもストレスがたまるんだということを初めて知りました」とも話す。

 一方、鈴音を追い詰める友人の水絵を演じた池脇さんは「しめしめとか、ほくそ笑むとか、単なる悪人のような分かりやすい演技はしないように気をつけた」と言い、「『ごく普通の人が何かやらかしてしまう』から怖いわけで。『ああ、こういう人いる』って思われるような、自然な振る舞いを心がけていました」と語る。

 そんな池脇さんだったが「監督が分かりやすいお芝居を要求することがあって、私は葛藤(かっとう)しながら、一生懸命バランスを取りながら演じましたね」と苦笑い。内田さんも「私と池脇さんが目指したのは、演技の上で決してうそをつかないこと。物語をただ面白くするために、お芝居で小さなうそを積み重ねるのはしたくないということでした。こういう人が本当にそこにいるんだと、皆さんに感じていただけるお芝居をしていこうと話しました」と振り返った。

 ◇池脇千鶴との共演は「私のモチベーション」

 また池脇さんは水絵の性格を「オドオドしているようで堂々としている。すごくずうずうしくて厚かましい」と分析。「そういうふうに思いついた水絵の特徴を紙に書きとめて、彼女の行動や感情を理解しようと心がけていました」と役作りの一端を披露。続けて「役を生きるというのを信条にしているんですけど、秒刻みのスケジュールの中、シーンの前後を考えながらお芝居を組み立てていくのは苦労しましたね」とも明かす。

 内田さんは、そんな池脇さんとの共演が「鈴音役を演じるモチベーションでもあった」という。「池脇さんと同じ舞台で共演したことはあるんですけど、その時はほとんどからみがなかったので。女性同士のお芝居って、相手がどういう生き方をしてきたのか、そのお芝居から透けて見えてくるので、たまらなくゾクゾクしてやりがいがありました」と笑顔を見せた。

 さらに内田さんは「逆に池脇さんにも自分のことが見えていたと思うし、自分が今持っている全てを見せられたと思う。とにかく池脇さんと正面からぶつかり合って、すごくいいお芝居が出来上がり、楽しい時間になりました」と話していた。

 ドラマ「はぶらし/女友だち」は全8回。NHK・BSプレミアムで5日から毎週火曜午後11時15分に放送。

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