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親が先生芸人
10月31日(木)放送分
芳根京子さん主演のNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」が3日、スタートする。ヒロイン・板東すみれが、戦後の焼け跡となった神戸で、子供や母たちのために子供服づくりに専心する物語だ。制作統括の三鬼一希チーフ・プロデューサーは「絶対泣ける。朝から涙活して出かけてほしい」と自信を見せる。新たな朝ドラの見どころとは……。
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95作目の朝ドラとなる「べっぴんさん」の主人公は、子供服メーカー「ファミリア」創業者の一人、坂野惇子さんがモデルだ。タイトルの「べっぴんさん」は、「美しい女性」という意味だけでなく、特別な品から来た「別品さん」の意味も持つ。すみれたちが「べっぴん」なものを心を込めて作り出していく姿を描いていくという。
3日から放送される第1週「想(おも)いをこめた特別な品」は、昭和9(1934)年の神戸で、繊維会社を営む父・坂東五十八(生瀬勝久さん)と病弱だが優しい母・はな(菅野美穂さん)、活発な姉ゆり(内田彩花さん)と裕福な家庭で育ったすみれ(渡邉このみちゃん)が、入院中の母・はなのためにハンカチに刺しゅうをして渡そうとする。なかなかうまくいかないすみれだが、屋敷に出入りする靴屋の麻田(市村正親さん)から「心を込めてものをつくる」大切さを学ぶ姿が描かれる。
第1回の冒頭、すみれたち家族が一面にクローバーが広がる野原で楽しく語らい、幼いすみれが母から四つ葉のクローバーの意味を聞くシーンが展開される。主演の芳根さんも自身は出演しないが、撮影に立ち会い、「自然と涙が出た。(子役の)このみちゃんとお母さん(菅野さん)の姿を見て、私もすみれになれたと感じた」と語る。このあとの物語の中で四つ葉のクローバーは重要なモチーフとなる。板東家も4人家族で、また、すみれと会社を立ち上げる仲間も4人と、四つ葉のクローバーとシンクロしているようだ。
その幸せな家族の姿だが、はなの容態が少しずつ悪くなり、はなの子供たちへの思い、すみれの母への思い、五十八の妻への思いを丁寧に描きながら、母との別れがやってくる。三鬼さんも「ベタですけれど、母と子を描いた“人情もの”で、絶対泣けると思います。朝から申し訳ないですけど、“涙活”してから出かけてもらえれば」と語る。菅野さんは、はなとしてドラマのナレーションを務めるが、三鬼さんは「菅野さんには全編を通して、すみれたちを見守っていただく。もっと出演してほしいという気持ちもあったが、ベストな形だと思う」と期待を寄せる。
この後、すみれは19歳で母となるが、戦争で夫の生死も不明、生まれ育った神戸も空襲で焼け野原となり、すべてを失ってしまう。そこから裁縫の腕を生かして、女学校時代の仲間だった良子(百田夏菜子さん)と君枝(土村芳=かほ=さん)、そして幼いころからすみれを知る明美(谷村美月さん)と洋服作りを始める。三鬼さんは「テンポを速く進めて、何もないところからどう立ち上がっていくかを描きたい」と語る。
芳根さん演じるすみれは、おっとりしていて、なかなか自分の気持ちを口に出せないが、「子供たちのために、お母さんのために服を作りたい」という強い信念を持って子供服の会社をつくる女性で、ヒロイン像について三鬼さんは「朝ドラのヒロインは周りを引っ張っていくようなタイプも多いが、今回は周りの人たちを描きたいと思い、すみれは背中を押されて周りと一緒に手をつないでいくヒロインになる」と話す。透明感のある笑顔の中に、秘めた芯の強さを感じさせる芳根さんの演技は、まさにそのイメージ通り。“泣ける朝ドラ”の物語が、どう紡がれていくか、今後も目が離せない。(猪狩淳一/MANTAN)
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2024年11月03日 06:00時点
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