今週末に公開される映画の注目作をピックアップする「今週シネマ」。11日には、米俳優トム・クルーズさん主演の映画「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」(エドワード・ズウィック監督)が公開。12日は、俳優の小栗旬さん主演の映画「ミュージアム」(大友啓史監督)や、女優ののん(能年玲奈を改名)さんが劇場版アニメに声優として初主演した「この世界の片隅に」(片渕須直監督)が公開される。
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「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」は、「アウトロー」(2012年)に続くシリーズ第2弾。元米陸軍調査指揮官で、今は流れ者のジャック・リーチャー(クルーズさん)は、後任のスーザン・ターナー少佐(コビー・スマルダーズさん)がスパイ容疑で逮捕されたことに陰謀のにおいをかぎ取る。リーチャーはターナーの無実を証明するために真犯人探しに動き出す……というストーリー。前作よりもアクションの見せ場が増え、展開に勢いが増した印象で、特にパレードに沸くニューオリンズでの追走劇では、映画のハイライトにふさわしい緊迫感が味わえる。
「ミュージアム」は、13年7月から14年1月まで「週刊ヤングマガジン」(講談社)で連載されたサスペンスマンガが原作。雨の日だけに発生する猟奇殺人事件の犯人としてカエルのマスクをかぶったカエル男(妻夫木聡さん)が浮上し、沢村刑事(小栗さん)が残された手がかりから犯人を追い詰めるが、それはカエル男によって仕組まれたわなだった……というストーリー。衝撃シーンが多い同作だが、沢村がカエル男を追って車道へと飛び出し、車と衝突するシーンは特にインパクト大。小栗さん自らスタントに臨んだといい、かなりの迫力を感じさせる。尾野真千子さん、野村周平さんも出演している。
「この世界の片隅に」は、こうの史代さんが「漫画アクション」(双葉社)で連載し、09年の「文化庁メディア芸術祭」のマンガ部門優秀賞を受賞したマンガが原作。昭和19(1944)年、広島から世界最大の軍港といわれた呉に嫁いできたすず(のんさん)は、夫の家族とささやかな生活を送っていたが、呉は大規模な空襲に襲われ、すずの大切なものが失われていく。そして広島に原爆が投下された昭和20年の夏を迎える……というストーリー。戦争が激化する中でもけなげに生きるすずさんとその家族の日常が力強く描かれている。のんさんの、癒やし成分が含まれているような話し声での自然体の演技にも注目したい。
このほか、NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」(13年後期)でヒロインを演じた女優の杏さんの映画初主演作「オケ老人!」(細川徹監督)が11日から公開されている。
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