木村多江:「源氏物語」演じるなら生き霊・六条御息所 「芝居しがいある」

NHK名古屋放送局で行われた8Kスーパーハイビジョンカメラで撮影した番組「国宝 源氏物語絵巻 The Tale of Genji Illustrated Scrolls」を上映するイベントに登場した木村多江さん(右)=NHK提供
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NHK名古屋放送局で行われた8Kスーパーハイビジョンカメラで撮影した番組「国宝 源氏物語絵巻 The Tale of Genji Illustrated Scrolls」を上映するイベントに登場した木村多江さん(右)=NHK提供

 女優の木村多江さんが、6日にNHK名古屋放送局(名古屋市東区)で行われた源氏物語を題材にしたトークイベントに出演した。司会を務めた同局の黒崎めぐみアナウンサーから、同作で演じたい女性を聞かれると「嫉妬が渦巻いているので、そんな中にはお芝居でも入りたくないですね」とおどけつつ、「どうせなら、生き霊になった六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)。お芝居のしがいありそう」と話した。

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 この日は、NHK名古屋放送局が、徳川美術館(同)に所蔵されている国宝源氏物語絵巻を8Kスーパーハイビジョンカメラで撮影した番組「国宝 源氏物語絵巻 The Tale of Genji Illustrated Scrolls」(50分)を上映するイベントで、350インチのスクリーンで上映され、約130人の観客が集まった。

 国宝の源氏物語絵巻は、現存する最古の物語絵巻。12世紀前半に当時の宮廷で描かれたとされている。番組は、同館所蔵の15面の絵を丁寧に映し出し、ストーリーとともに絵の見どころを解説。絵は、縦が約21センチで、横は約49センチと約38センチの2種類があり、切手大の顔の、約5ミリほどの鬢(びん)の部分に40本もの毛が描き込まれている様子など、肉眼では見られない部分まで、鮮やかに映し出す。

 木村さんは、光源氏と関係を持った女性の一人、末摘花(すえつむはな)として、番組の語りを担当。上映後は「細かい筆遣いが見えて、こんな気持ちで描いたんじゃないかとか、こんなふうに気を使ったんじゃないかとか、描いた人の気持ちまで伝わって、想像させるような8Kのすごさを感じました」と感想を語った。

 トークショーには、徳川美術館の四辻秀紀・学芸部長、番組を手がけた梅内庸平ディレクターも出席。四辻さんは「12世紀前半の宮廷の姫たちが楽しんだのと同じような体験を、我々が8Kを通して体験し、共感できる。国宝を世界に向けて発信することもできる。多くの人に見てもらいたい」と8K映像の広がりに期待を寄せた。この日のトークショーの様子と、8K撮影の裏側などが、12日午後2時から中部7県(岐阜除く)の総合テレビで放送される。

 また「国宝 源氏物語絵巻 The Tale of Genji Illustrated Scrolls」は、NHKのスーパーハイビジョン試験放送の一環で、全国のNHKに設置された専用の8Kテレビで放送される。放送時間などは、各局により異なるため問い合わせが必要。NHK名古屋放送局では20~24日と26日の午後3時5分から。また徳川美術館で14~26日の午前10時~午後5時に繰り返し上映される。視聴無料。月曜休館。ただし期間中、20日の祝日は開館し、21日に休館する。

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