名探偵コナン
#1142「乱歩邸殺人事件(前編)」
11月16日(土)放送分
話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中で「このマンガがすごい!2018」のオトコ編1位に輝いたことも話題の「約束のネバーランド」です。担当編集に作品の魅力を聞きました。
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物語の主人公は小さな孤児院(グレイス=フィールドハウス)で幸せに暮らす孤児のエマ、ノーマン、レイの3人。ある日、彼らは自らの家とママ(育ての親)に隠された衝撃の真実を知り、生きるため、そこからの“脱獄”を決意します。
「週刊少年ジャンプ」にあってミステリー、サスペンス、知略戦を主に展開する異色の脱獄ファンタジー。ジャンプの新境地に挑戦した意欲作です。
予想を超える驚がくの展開の数々、家族との絆のドラマ、そしてどんな逆境にも負けず必死に生きようと奮闘する子供たちの勇姿を、ぜひ一人でも多くの皆さまにご一読いただければ、うれしい限りです。
原作者の白井(カイウ)先生がジャンプ編集部に持ち込みに来たネーム原作(マンガの設計図)を基に、約3年間の作画家選定、構想期間を経て連載に至りました。物語の核となるコンセプト、キャラ、シーンは最初の持ち込みのものをそのまま生かしていますので、その時にもう今の骨子がありました。
例えば、少年誌にもかかわらず主人公が女の子であるのも最初の持ち込み原案の狙い、設定をいじらず、生かした結果です。そこから「ジャンプで、週刊連載で、ヒットを狙える企画に」という命題を掲げ、原案の魅力を最大限殺さない方向に大幅なブラッシュアップと展開構想を行った結果がこの作品の最終形になります。
原作のブラッシュアップは1年ほどでできたものの、作画家の選定作業は難航し、3年の準備期間を要しました。ミステリー、サスペンスを描く演出力、SFやファンタジーを描くためのデザインセンスや画力、少年マンガを描ける素養、この全てを併せ持つ作画家を探す作業は苦労の連続。何人もの作家にオファーを出したものの、異色な作品性もあって断られることも多く、白井先生との相談の末に当時他誌で活躍されていた出水(ぽすか)先生に出会えた時は本当にうれしかったのを覚えています。今となれば、この作品の作画は出水先生以外には考えられませんので、作品にとって絶対必要な労力、時間だったのだと思います。
出水先生に決まった後も、デザインの構想には半年の時間をかけて、キャラデザイン、美術設定までこだわって3人で相談しました。特に、鬼のデザインは10種類以上のデザインを出水さんにあげていただき、それを練り上げる作業の末に今の斬新なデザインにたどり着きました。
編集の際に面白かったのは、いかにして脱獄サスペンスというジャンルを少年マンガで面白く読ませる形に仕立てていくのかという企画作りです。原案のままでいくとネットマンガに多いエログロナンセンス的刺激の強さに頼った作品になっていく形でしたが、それでは少年誌では戦えませんし、出落ち、尻すぼみな一過性のヒットしないマンガになってしまいます。そこで、あくまでデスゲーム的な刺激ではなく、一見不可能な脱獄という逆境に立ち向かう子供たちの勇気の物語の方に焦点を当てて作っていくことで、ジャンプでヒットを狙える形を目指しました。
白井先生とは当時から「一見異色だけど、その実、他のどの作品よりもジャンプの王道を行く作品にしましょう」と共通の目標を持ってやってきていますが、それが作品の一番の強みになってくれていると思います。
愛する我が家、そして母からの脱獄を終え、新章に突入した本作ですが、連載も物語のちょうど折り返し地点を迎えています。ここからはもう一度、全速力で衝撃のラストまで駆け抜けていきますので、この世界に隠された真実、子供たちの運命の終着点を、ぜひ最後まで一緒に見守っていただければ幸いです。
今年、来年は物語の盛り上がりに合わせて、マンガ以外の形でも作品の世界観や面白さを皆さんにお届けできるよう編集として尽力していきたいと思っております。そちらもご期待いただければ幸いです。
まだ「約束のネバーランド」を読んだことのない皆さん、公式ホームページの試し読みでも構いません、この機会にぜひ一話だけでも読んでいただければ幸いです!
普段より読んでくださっている皆さん、本当に日々の応援ありがとうございます!! 皆さんの応援のおかげで、最近ではさまざまなマンガ賞をいただくことができたり、たくさんの方に作品を知っていただく機会も増えてきました。本当に皆さんのおかげです!! 皆さんにいただいた期待や応援を裏切るようなことがないよう最後まで白井先生、出水先生と一緒に頑張りますので、もう少し一緒にエマたちを応援していただければ幸いです(コミックス第8巻は4月4日発売です!笑)。
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