木村文乃:安達奈緒子脚本に心酔?「魔力に魅せられました」 NHKドラマ「サギデカ」でタッグ

NHKの土曜ドラマ「サギデカ」主演の木村文乃さん (C)NHK
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NHKの土曜ドラマ「サギデカ」主演の木村文乃さん (C)NHK

 女優の木村文乃さんが主演するNHKの土曜ドラマ「サギデカ」(総合、土曜午後9時)が8月31日にスタートする。連続ドラマ「コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON」(フジテレビ系、2017年)や「透明なゆりかご」(NHK、2018年)、「きのう何食べた?」(テレビ東京系、2019年)と話題作を次々と手掛ける脚本家の安達奈緒子さんによるオリジナルで、木村さんは特殊詐欺捜査を専門とする警部補・今宮夏蓮を演じている。「安達さんの脚本の魔力に魅(み)せられました」と明かす木村さんに今作への思いを聞いた。

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 ◇主演を引き受けた理由 「これは受ける以外に選択肢はないと…」

 ドラマは「振り込め詐欺」「還付金詐欺」などの特殊詐欺捜査を専門とする警部補・今宮夏蓮(木村さん)が、詐欺犯の実態に肉薄し、何としてでも摘発しようと心血を注ぐ、社会派ヒューマンドラマ。木村さんが主人公の刑事・今宮を演じているほか、高杉真宙さんが、不幸な境遇で育ち、社会でのし上がろうと詐欺に手を染めた青年・加地颯人役で出演。今宮が所属する「警視庁捜査二課・南新宿分室」メンバーとして、眞島秀和さん、清水尋也さん、足立梨花さん、遠藤憲一さん、鶴見辰吾さんも登場する。

 今作がNHK初主演となる木村さんは「最初に『こんな話がありますよ』とお聞きして、まずはプロットからいただきまして。それで台本を読ませていただいたんですけど、『小説かな?』と思うくらい、人物像がはっきりしていて、気持ちの動きにウソはないし、とても練られたお話だったので、これは受ける以外に(選択肢は)ないという気持ちになりました」と振り返る。

 「もちろんタイミングもあった」としながらも、前述の通り「安達奈緒子脚本の魔力に魅せられた」ことが主演を引き受けた理由の一つであったことは間違いない。「オリジナルをやらせていただくことも貴重な機会ですし、かつ主演で、すごく感情の振り幅のある面白い役柄でもあったので、挑戦にもなるし、綿密に練り上げられた題材ということで、周囲の意気込み、心意気に乗っかりたかったんです」と笑顔で説明する。

 また、主人公の今宮を演じるにあたって、チーフ演出の西谷真一監督から顔合わせのときにかけてもらった「つながりを気にしなくていいです」という言葉に背中を押されたと明かす木村さん。「それまでどちらかというと『毎回、同じことをしなさい』という環境でお芝居をしてきたので、『そんなの気にしないで、その場で生まれてくるものを一番、大事にしてお芝居してください。あとは僕たちが何とかします』ってすごく力強く言ってくださったので、そのとき本当に涙が出るくらいうれしかった」としみじみ。

 「そう言ってくださるなら私も今宮を演じながら縦横無尽に駆け巡ろうって思えて。普段は『この人ってこう』と決めてお芝居をしがちなんですけど、『さっきはこうだったけど、ここは違う感情、テンションでもいいんじゃないか』と肩の荷が下りた形でお芝居ができたと思います」と感謝していた。

 ◇無理矢理な部分がない脚本 ドラマの見どころは?

 そんな木村さんが演じる今宮は「振り込め詐欺犯は必ず捕まえる」という強い意思を持ち、がむしゃらかつ綿密な捜査で犯罪者たちに肉薄してゆく。一方で、最近ちょっと涙もろくて困っているという人間臭ささもあり、視聴者が思わず感情移入してしまうようなキャラクターだ。

 木村さんは今宮のことを「まだ客観的にはどうしても見られない」としながらも、「今って人と向き合わなくても生きていけると思うんですよね。全て携帯電話一つで完結してしまう。顔が見えない相手との会話が日常茶飯事。でも取り調べのときは、絶対に目をそらしちゃいけない。そういうことってすごく大事なんだなって思いました」と実感を込める。

 ドラマは今宮と高杉さん扮(ふん)する加地との間に奇妙な信頼関係が生まれていくのも見どころ。「大前提として、最初から犯罪者として生まれてくる人はいない。罪を犯してしまうのは絶対に何らかの理由がある。だからこそ、加地君のことも愛してほしいと言われたんですよね。加地君はある意味、守る対象でもあって。2人が信頼関係で結ばれていく展開は、本当に安達さん(の脚本)はすてきだなって思うところ」ときっぱり。

 また「そこに何も無理やりな部分がないんです」と力説する木村さんは、「だから今宮は自然の感情の流れで自分が信じたものを貫くために行動を起こしていくし、憎むべき対象がはっきりしていく。でも憎むべき対象も『100%悪なのか?』って言われたら、実は違ったりもする。そういう深い部分の引き金を引いていくのが加地君の役割でもあるで、ジェットコースターに乗っているような気分で物語が進んでいく気がします」とアピールしていた。

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