放課後カルテ
第7話 お前が学校に来ようが来まいがどうでもいい
11月23日(土)放送分
俳優の神尾楓珠さん、女優の池田エライザさんダブル主演の連続ドラマ「左ききのエレン」が、MBS・TBSの深夜の「ドラマイズム」枠で放送中だ。神尾さんは、自らの才能の限界に苦しみながらも、いつか「何者か」になることを夢見る凡才デザイナーの朝倉光一役、池田さんは、圧倒的な芸術的才能に恵まれながらも天才ゆえの苦悩と孤独を抱える画家の山岸エレン役という相対する2人を演じる。池田さんに、自身の役柄について、作品の魅力について聞いた。
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原作は、電子メディア「cakes(ケイクス)」で連載のかっぴーさんの同名マンガ。集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+(プラス)」で、nifuni(にふに)さんの作画でリメーク版も連載中。“凡人”の光一と“天才”のエレンが、敗北や挫折を味わいながら、成長していく姿を描いていく青春群像劇。連続ドラマ「ボイス 110緊急指令室」などの後藤庸介監督がメガホンをとり、脚本は「監察医 朝顔」などの根本ノンジさんが担当している。MBSで毎週日曜深夜0時50分から、TBSで毎週火曜深夜1時28分放送。
「原作を読んでいて、一ファンの身」だったという池田さん。エレン役は、作品の実写化が決定する前から意識していたといい、「私自身も(演じたエレンと同じ)左利きなのでやりたいと思う半面、私がやるなら、どういうところに重きを置いて演じるのか、一人で勝手に悩んでいましたね」と明かし、実際にオファーが来た際は「『やったー!』に尽きる!」と笑顔で振り返る。
“天才”画家のエレン役は「分かりやすくオンとオフを作る」ことを意識したという。「エレンは、絵を描いていないときも敏感に世の中を見ているイメージなんですが、いざ絵を描いているときの没入していく感じ、物をとらえる目つきとか、その感覚を私自身も感じなければいけない。なぜエレンが(絵に)没入できたのかを、そのときに感じていることを自分の中に掘り下げながら(演じている)」と苦労を明かす。
池田さんが感じる“天才”の能力とは、原作にも出てくる「集中力の質」ではないかといい、「ただ何か生み出そうともがいて集中するのではなく、スムーズに自分のインプットからアウトプットまで運んでいく力、好きなことを途切れさせない力なのかな」と試行錯誤しているようだ。
メガホンをとった後藤監督が「ちょっと恥ずかしくなるくらい『エモい』作品です」と語る今作。池田さんも「エモエモですよ。ずっとエモいの! 目を背けたくなるようなすっごくイタいせりふも、いっぱいあります。でもそれがすごくエモい」と共感する。そんなせりふが「(演じている)自分に突き刺さることで、たまに照れくさかったりする」と笑うが、ファンや視聴者に「素直に、真っすぐなせりふを感じてもらえるドラマ」と魅力を説明する。感情的な演技を「私たちも惜しげもなく本気でやるので、『イタくていいじゃん』というそんな気持ちでやってますね」と熱いドラマへの思いを語った。
劇中で、特に池田さんに刺さったせりふは、「エレンは、本当に大事なことしかいわないので(すべて)」と言いつつ、光一がエレンに言った「何者かにならないと退屈過ぎて生きていけねえよ」という言葉だという。これが「エレンを突き動かしている言葉だと、私は思っていて、その言葉があったからこそ(光一とエレンは)並べたと思う」といい、「(エレンが光一に)言われた感覚を忘れないように。光一に動かされたことを忘れないようにしている」と明かした。
女優やモデルのほか、最近では映画監督も務める多才な池田さん。それぞれの仕事への切り替えはどうやっているのか。「それぞれ現場に行って(切り替える)。求められるものが正確にあるので、(その場所での)コミュニケーションで把握する」という。多様だが「その都度、自分の引き出しから対応するので、引き出しを増やすことが大事。インプットするのは一緒なので」とやってみたいと思ったことには積極的に挑戦しているという。
「いろいろとやらせてもらいました。言ったらかなうもんだなというラッキーなこともあれば、びっくりなこともある」と最近の充実ぶりをにじませる池田さん。今後は、「今までもこれからも、勝手に思いついたらやるんでしょうけれど、続けることが自分の挑戦なのかな。期待してくれている方と面白いものを作ること」と目を輝かせる。
「現在やりたいと思っていてできていないことは?」と聞くと、「ずっとガンアクションをやりたいと思っていたら、できることになっちゃった。いろいろ面白いことが起きている」と明かす。演技では「超アクロバティックなアクションもやりたいですね。お色気とか、セクシー系のお芝居とかは、いまいち分からないなと思う半面、その役に人間性の素晴らしさを感じたら、やってみたい」と自身の新たな可能性についても思いを巡らせていた。
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