北条司さんのマンガ「シティーハンター」をフランスで実写化した映画「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」(フィリップ・ラショー監督)が11月29日からTOHOシネマズ日比谷(東京都千代田区)ほかで公開される。
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日本では吹き替え版での公開。声優の山寺宏一さんが冴羽リョウ、沢城みゆきさんが槇村香の声を担当するほか、海坊主ことファルコンを玄田哲章さん、槇村秀幸を田中秀幸さん、野上冴子を一龍斎春水さんと、テレビアニメ版のキャストが顔をそろえた。アニメでリョウを演じた神谷明さん、香を演じた伊倉一恵さんもスペシャルゲストとして登場する。
派手なガンアクションはもちろん、原作でおなじみの「もっこり」などの表現や随所に差し込まれるクスリと笑えるギャグも健在だ。
「シティーハンター」は、1985年にマンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載が始まり、東京・新宿で、裏社会ナンバーワンの始末屋(スイーパー)冴羽リョウの活躍が描かれた。1987~99年にテレビアニメ放送。劇場版アニメ3作が製作された。今年2月に新作劇場版「劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>」が公開された。フランス実写版は今年2月に公開され、仏国内だけで約168万人を動員した。
相棒の香と法的解決の難しい仕事も受けているリョウは、ある日、香りをかいだ者を虜(とりこ)にする香水を悪の手から守ってほしいとの依頼を受ける。効果を試すために香水を吹きかけられた香が歩き出した瞬間、現場を爆風が襲い、香水はバイクの男に奪われてしまう。奪い去ったのはリョウの旧友で元傭兵(ようへい)の海坊主だった。香水を取り戻す期限は48時間。リョウと香は、香の虜になるポンチョやセレブ好きのスキッピー、美人刑事の冴子らを巻き込みながら、奪回作戦を開始するが……。
人気マンガのまさかのフランスでの実写化。リョウ役も務めたラショー監督は、子供の頃にアニメシリーズを見て以来のファン。原作でもおなじみの香の「100tハンマー」など、作品ファンにはうれしい場面が続々と登場する。派手なガンアクションも全開で、原作の世界観を再現しつつ、独特の空気も漂わせる仕上がりとなっている。
重要なミッションを遂行しつつも、シティーハンターらしいコミカルな会話とギャグが散りばめられ、度々笑わされる。とはいえ、要所要所ではリョウがシリアスな表情を見せるなどメリハリがあり、二転三転するストーリー展開にも引き込まれる。後半には原作の印象的なシーンを意識したような描写もあり、にやりとさせられた。(河鰭悠太郎/フリーライター)。
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