知らなくていいコト:吉高由里子が脱“正統派ヒロイン” 大石静も太鼓判の“嫌われない”力

新水曜ドラマ「知らなくていいコト」で主演を務める女優の吉高由里子さん(C)日本テレビ
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新水曜ドラマ「知らなくていいコト」で主演を務める女優の吉高由里子さん(C)日本テレビ

 女優の吉高由里子さんが主演を務める日本テレビ系の新水曜ドラマ「知らなくていいコト」(水曜午後10時)が、1月8日からスタートする。脚本家の大石静さんのオリジナル脚本で、吉高さんは、世の真実を暴く立場でありながら、自身の真実に人生を狂わされる週刊誌記者を演じる。吉高さんといえば、2年目の新米検事の成長を描いた「正義のセ」(同局系)、「残業ゼロ、定時で帰る」がモットーのヒロインを演じた「わたし、定時で帰ります。」(TBS系)などで“愛されヒロイン”を演じてきたが、今作で演じるのはいわゆる正統派のヒロインではないという。「またちょっと違う吉高さんが見られる」と語る小田玲奈プロデューサーに、吉高さんの魅力を聞いた。

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 ◇皆に“愛される”のではなく、“嫌われない”ヒロインに

 ドラマは、「家売るオンナ」シリーズ(日本テレビ系)や「大恋愛~僕を忘れる君と」(TBS系)などで知られる大石さんが描く“お仕事系ヒューマンドラマ”。週刊誌「週刊イースト」で日々スクープを狙う記者、真壁ケイト(吉高さん)はある日、自身の父がハリウッドスターだと聞く。自分の出生の謎と父の秘密に迫ると、人生最大の「知らなくていいコト」にぶち当たり……というストーリー。

 吉高さん演じるケイトは、映画評論家で字幕翻訳家の第一人者・真壁杏南(秋吉久美子さん)の一人娘。戸籍に父の名前はなく、小さい頃から疑問に思ったことはあったが、社会で華やかに活躍する母を尊敬していたため、父がいなくてもコンプレックスを感じたことはなかった。ほどほどの私立大学に行き、卒業後、難関の東源出版に就職。それ以来10年、週刊誌の編集者として、スクープを狙い、懸命に働いてきたという設定。

 昨年12月に行われた囲み取材では、「“お仕事系ヒューマンドラマ”とか、言い方ずるいよね。聞いたことありそうでないような……」と率直すぎる思いを話したり、記者たちをいじって場を和ませていた吉高さん。そんな吉高さんについて、小田さんは「初めて会ったような記者さんに対して、持ち上げたり、突き放したり。でも別に誰も傷つけていない感じで、嫌われない。まさにケイトはそういう感じがある」と表現する。

 ケイトは、仕事も恋も順風満帆。自信家で図々しくて、「ちょっと鼻につくような女性」だといい、「キャリアウーマンとしてのリアリティーはあるけれど、正直、愛されヒロインになるのか心配だった部分もある」と明かす小田さん。「もしかしたら嫌われちゃうかもしれない」というヒロインを、“嫌われない”感じで演じられるのは誰かと大石さんと話した時に、吉高さんならそれができると思った、と起用理由を明かす。

 ◇吉高由里子の「人懐っこさ」

 ケイトに通じる吉高さんの魅力を、「皆に“愛される”のではなく、“嫌われない”こと」と話した小田さん。ともすれば、ネガティブに捉えられてしまいそうな表現だが、「そういう人ってなかなかいないと思う」と話す。

 ケイトは、ただただ可愛くて、いいことばかり言うようなヒロインではなく、「うまく毒づける」キャラクターだといい、「いわゆる正統派のヒロインではない、ギリギリの嫌われないラインにいるから共感されるというか。そういうケイトが魅力的に描けたらいいのではないか」と話す。吉高さん自身、「空気を読むのがうまく、際どいところで毒づく」部分もあるといい、「まさにケイトはそういう感じがある」と続ける。

 「正義のセ」はじめ、日本テレビのドラマで吉高さんと関わったスタッフたちから、「すごくいろんなところに気を配って見ている」という吉高さんの話を聞いていたという小田さん。今作の撮影現場でも、吉高さんは、共演者に対して積極的に話しかけたり、細かいところまで見ていて、初対面のスタッフに的確にツッコんだり、ちょっと甘えてみたり……など、「驚異の人懐っこさ」を見せているという。

 そんな吉高さんが演じるケイトについて、大石さんは「大人っぽいというか、生っぽいというか、そんなに気張っていないというか。思っていた通りという感じで、手をたたいて喜んでいました」と明かす。

 ◇視聴者に「ひっかき傷を」

 小田さんは、「正義のセ」や「わたし、定時で帰ります。」などで見せてきた、視聴者を巻き込んでいく吉高さんの「共感力」に絶大な信頼を寄せている。今作では、ケイトの成長を描くというよりも、大石さんいわく「主人公が揺さぶられて、それでも立って歩く」姿を描いていく。「視聴者が『イタッ』と思うものや、ひっかき傷を残すようなものがやりたいなと思った」と続ける。

 「ほかの女優さんがやったら鼻につく感じぐらいのことをやっても許されるんじゃないかという意味でも、またちょっと違う吉高さんが見られると思う」と話す小田さん。“嫌われない力”を持っているからこそできる、「今までとはちょっと違う」吉高さんの姿に注目したい。

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