良いこと悪いこと
第8話 7人目、だーれだ?
12月6日(土)放送分
俳優の長谷川博己さん主演のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合、日曜午後8時ほか)。ここまでの物語で「MVP」を一人挙げるとしたら、“美濃のマムシと恐れられた男”斎藤道三を演じる本木雅弘さんの他にいないだろう。5月10日放送の第17回「長良川の対決」では、道三が嫡男・高政(伊藤英明さん)と争い命を落とした「長良川の戦い」が描かれるといい、「道三ロス」は目の前まで迫ってきていると言っても過言ではない。そんな本木道三の活躍を振り返る名場面プレーバック。きょうは第2回「道三の罠(わな)」(1月26日放送)の“緑茶毒殺”を紹介する。
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ドラマには第1回「光秀、西へ」(1月19日放送)から登場していた本木道三だが、最初にその存在が大きくクローズアップされたのが、この第2回「道三の罠」だ。
物語は、京で知り合った医者の望月東庵(堺正章さん)と、東庵の助手の駒(門脇麦さん)を連れ、光秀(長谷川さん)が美濃へ帰ってくるところから始まる。その頃、美濃の国境には、侵略をもくろむ尾張の織田信秀(高橋克典さん)の大軍が迫っており、兵の数は美濃側の約5倍。多勢に無勢の中、籠城(ろうじょう)を決め込む道三に、光秀と高政(伊藤さん)は不満を抱くが、それこそが敵を欺く道三の作戦だった。
籠城を決め込むと見せかけ、一気に反撃に出て、信秀を敗走へと追い込んだ道三は夜、娘婿(むすめむこ)で、美濃の守護・土岐頼純(矢野聖人さん)と対面。尾張側と裏で通じていた証拠を突きつけられ、怒りに震える頼純を前にし、その場で茶を立て始める。頼純が差し出された茶に口をつけると、やがて苦しみだし……と展開した。
“美濃のマムシと恐れられた男”がその毒牙を見せた瞬間で、頼純が毒にもがき苦しみ、絶命する瞬間まで、表情一つ変えず朗々と歌を歌い上げる道三の姿に「こ、怖い」「目がヤベエ」「本木道三の迫力がハンパない」などと視聴者は恐怖した。
また、本木さんがサントリーの緑茶飲料「伊右衛門」のCMキャラクターを長年、務めていることから、「毒入り伊右衛門怖い」「モックンの伊右衛門CMの今後が危ぶまれる展開」「モックンがお茶に毒を盛るってCM的に大丈夫なん!?」と心配する声が次々と上がると、後日「伊右衛門」の公式ツイッターがまさかの反応。「昨晩は、主人が熱演のあまり、皆様をお騒がせしましたようで、すみません。まずは心を落ち着け、茶などお召し上がりくださりませ。妻より」と、CMで妻を演じる宮沢りえさんの画像付きでツイートし、大きな盛り上がりを見せた。
本木さんは同シーンを振り返り、「まだクランクインして間もなく、現場にも慣れていない撮影序盤の夜、長時間に及ぶ撮影でした。10キロくらいの甲冑(かっちゅう)を着けたまま、さまざまな所作をするのが拷問のようで、茶道の所作が特に大変でした」とコメント。
さらに「正直、背すじを伸ばすだけで必死なんです! でも顔はクールでいなければいけないので、甲冑の内側は汗かきまくりでした」と苦労を明かすと、土岐頼純と自分自身を重ね「実人生でも破天荒な父を持つ娘の婿ですので、『もし自分が親も子もない戦国の世に生きていたら……』と思うと、このシーンはひとごととは思えず(汗)。我ながらぞっとしました」と撮影当時の心境を明かした。
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