海に眠るダイヤモンド
最終話後編(10話)記憶は眠る
12月22日(日)放送分
俳優の香川照之さんが、「ハゲタカ」シリーズなどで知られる真山仁さんの小説を実写化したドラマスペシャル「当確師」(テレビ朝日系)で主演を務めることが11月3日、分かった。本作で香川さんは、当選率99%を誇ることから“当確師”の異名を持つ凄腕選挙コンサルタント・聖達磨(ひじり・たつま)を演じる。
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香川さん演じる聖は、敗色濃厚な選挙戦でも、必ず当選させる男。依頼者に莫大な報酬を要求し、勝利のためならどんな手段もいとわない切れ者だ。日本中から注目を集める政令指定都市・高天(たかあま)市長選で、3期目を目指す現職市長・鏑木次郎を阻止する仕事を請け負う。“日本一有名な市長”として絶大な支持を市民から取り付ける鏑木に、聖が対抗候補として擁立するのは、市内で保育園を経営する女性・黒松幸子。知名度の差から圧倒的に不利な状況で、聖は情報戦はもちろん、ときに“奇襲攻撃”を仕掛け、大胆不敵に選挙戦を進めていく……という展開。
選挙コンサルタントに挑む香川さんは、「選挙の裏側にさまざまな根回しが存在することはわかっていたつもりだったのですが、それを“生業”とされている方がいるのが驚きでした」といい、聖について「政治家という重い立場の人たちの横で仕事をしていても、決して政治家には見えないよう、若干の“うさんくささ”というものを出すべきではないか」と考察。「しゃべり方から、だいぶ“謙虚さ”を引いて演じています」とニヤリと笑顔を浮かべて明かした。
ドラマスペシャル「当確師」は今冬放送。
――最初に脚本を読んだときの感想は?
選挙の裏側にさまざまな根回しが存在することはわかっていたつもりだったのですが、それを“生業”とされている方がいることに驚きました。また、羽原大介先生の脚本がしっかりと“一本道”で書かれていたので、セリフを覚えてそのまま演じれば、それだけで素晴らしい作品になると確信しました。
――聖達磨を演じるにあたって考えられたことは? 若干、あやしげな人物にも思えますが……?
おっしゃるとおりです(笑い)。当確師はスーツを身に着け、政治家という重い立場の人たちの横で仕事をしています。でも、決して政治家には見えないよう、若干のうさんくささというものを出すべきではないかと考えて、しゃべり方から“謙虚さ”を引いています。表舞台で謙虚さを全面に出してしゃべらなければならないのが政治家だとすると、当確師はだいぶ謙虚さを抜いた方がいいんじゃないかと思ったので……。引くというより、“ちょっと雑に言う”感じを心がけています。
――聖達磨とご自身の相違点や共通点は?
ドラマの中で、聖はさまざまな出来事を予見したり、見破ったり……と、かなりスーパーマン的に描かれています。もちろんそこは僕自身と全然、違います。だからこそ、そういった聖の優れたところを視聴者にうまく伝えたい、という思いがあります。
似ているところは……実は、監督から「飲みものや食事が出てきたらすぐ口をつける人にしてください」と言われました。聖は、出されたものをそのままにして帰るのが非常にもったいないと思っている人物なんです。僕自身も“きちんといただく”ことは礼儀だと思っているので、そういう意味では同じような人間性かもしれません。
――聖のような当確師を、大好きな昆虫に例えるとしたら?
ハチでしょうか……。“必ず花を咲かせます”みたいなことで、しかも回り回って自分のためにもなっている、というところがハチっぽいかもしれないですね(笑い)。
選挙とは、血を流さない戦争と言われています。史上稀に見る異常な米国大統領選挙が行われたこのタイミングで、「当確師」がドラマ化されるのは、運命なのでしょうか。「当確師」を見れば、選挙を見る目が変わります。
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