水曜日のダウンタウン
電気イスゲームトーナメント 1回戦第2試合 ほか
11月20日(水)放送分
世界最高峰の総合格闘技イベント「UFC257」が1月24日(日本時間)、アラブ首長国連邦(UAE)・アブダビで開催される。メインイベントは、UFC最大のスーパースターにして“最強問題児”と呼ばれるコナー・マクレガー選手が、ライト級ランキング2位のダスティン・ポワリエ選手と対戦。マクレガー選手は2020年6月にSNSで引退宣言し、今回が復帰戦となる。WOWOWの「UFC -究極格闘技-」解説者で、“世界のTK”こと高阪剛さんが試合の見どころを語った。
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――マクレガー選手が約1年ぶりに復帰して、メインイベントでポワリエ選手と対戦します。
これは“引退”からの復帰戦ということになるんですかね?
――2020年6月にSNS上で引退宣言をしましたから、その復帰戦ということになります。マクレガー選手の引退宣言はこれで3度目なので、あまり信用していた人はいなかったと思います。
そうですよね(笑い)。でも、前言を翻して今回試合をするわけですけど、マクレガーがどんなモチベーションでオクタゴンに戻ってきたのか、というのがこの試合の第一のポイントでもあると思うんですよ。気持ち的には半分リタイアしていて、たまに試合をしようとしているのか。それとも再びタイトル奪回まで考えてのことなのか。
これが後者であるならば、ダスティン・ポワリエ戦というのは、すごく面白いマッチアップだと思いますね。
――「暫定王座決定戦」とは銘打たれていませんが、ライト級王者のハビブ・ヌルマゴメドフ選手が引退状態にある今、事実上のライト級頂上対決の一つでもあります。
マクレガー、ポワリエ、それからジャスティン・ゲイジーに、前回「UFC256」でトニー・ファーガソン選手を下したシャールズ・オリベイラ選手あたりは、みんな世界チャンピオンと呼んでもいい実力の持ち主ですからね。
――そしてポワリエ選手とマクレガー選手は2014年9月にも対戦しており、その時は、マクレガー選手が1ラウンド1分46秒でTKO勝ち。今回は6年半ぶりの再戦になりますが、高阪さんはどう見ていますか?
前回のマクレガーとポワリエの試合を自分も改めて見てみたんですけど、正直、ポワリエの威圧負けというか。マクレガーのプレッシャーに下がっちゃってたんですよね。それで左フックをもらってダウンしてしまったんで。
――早々にケージ際に追い込まれてしまいました。
その後、ポワリエの試合を見ると、アグレッシブに手数を出してKOの山を築いているじゃないですか。それを見る限り、“もしあそこで下がらず、まともにやりあっていれば、もっといい試合になっていたんじゃないか”と思うところはありましたよね。
――逆に言えば、マクレガー戦の反省から、しっかり自分からガンガン攻めていって、勝ち切るようになったのかもしれません。
そうですね。マクレガー戦が一つの転機になったのかもしれない。ポワリエの打撃の特徴としては、とにかく手数が多いっていうことが挙げられると思うんですよ。普通、前手のジャブを出しながら徐々に距離をつかんで、そこからたたみかけていく選手が多いですけど、ポワリエは自分からどんどん手数を出していく。しかも、手数を出して自分のペースを握るときと、倒し切るときの打撃の強弱がつけられる。だからこそ、あれだけ手数を出しながら、5ラウンドをフルに戦ったりもできるんだと思うんですよね。
――マクレガー選手は同じサウスポーのストライカーですが、タイプとしてはちょっと対照的でもあります。
マクレガーはどっちかというと、手数を出すより一撃で仕留めるタイプですよね。そして、2人に共通しているのは、カウンターやリターンは、おおよそ左ストレートか、左フックなんですよ。そうなると、左を打ってきたときに左を返すという展開になった場合、マクレガーの方がパンチは伸びるので、ポワリエが手が出しにくくなるかもしれない。
――前回の試合でポワリエ選手が引いてしまったのも、そういうのがあったんでしょうか?
“左を出したら合わせられるな”という感覚になっちゃうと、ポワリエは左ストレートを頻繁に打ちにいけなくなる、というのはあったかもしれないですね。
――相性という意味でもスタンドでは、マクレガー選手が有利と?
ただ、足が速く動くのはポワリエの方だと思うんですよね。
――それはフットワークという意味ですか?
フットワークと蹴りの両方ですね。フットワークからパンチを打って、すぐに左ミドルを入れるとか。足技もパンチからのつなぎで早め早めに出す。そうなると、マクレガーが捉えにくくなるんですよね。なので、足技も絡めてペースに巻き込むことがポワリエにできたら、後半ラウンドでポワリエに傾くかな、という気はするんです。
――ポワリエ選手はスタミナも十分な選手で、グラウンドでも勝負できます。
ポワリエは打撃を出してそのままタックルにつなげたりとか、相手が踏み込んだところで片足タックルにいったりとか、そのへんが器用なので、いろんな伏線を張れるのはポワリエのほうでしょうね。いろいろ“何がくるかな”と分からなくさせる攻撃を仕掛けることができる。マクレガーの場合は、言ってしまえば一点豪華主義というか、一発で倒せる殺傷能力がものすごく高いので。
――今回、マクレガー選手はパワーアップして出てきそうですね。前回、1階級上のウエルター級でドナルド・セローニ選手に圧勝していますし。
あのままのパワーでライト級に落としてこられるのなら、破壊力がさらに増しているでしょうね。そこはポワリエも、以前のマクレガーのままを想定していたら危ないかもしれない。また、それはマクレガーにも言えると思うんですよ。ポワリエはこの6年半の間、かなりの経験を積んできているじゃないですか。
――試合数でいえば、6年半でマクレガー選手が8試合、ポワリエ選手は13試合です。
ポワリエみたいなタイプは、一つ経験したことを自分の中で枝分かれさせていく能力が高いんじゃないかと思うんですよね。たとえば、タックルを混ぜることによって、パンチがさらに当たるようになったり、タックルフェイントからパンチへつなぐバリエーションが増えたりとか、いろんな広がりが起こり、一個一個自分のものにしていける。そういった格闘技IQが高い選手だと思うんですよね。
――しかも、この6年半の間に数々のビッグネームを倒しているわけです。
その経験値って、すごく大きいと思うんですよ。だから、そうやって身につけていった自分の技術を総動員して、マクレガーを混乱させることができるか、それに尽きると思いますね。ただ、それでもマクレガーは、ポワリエがいろいろやってきても、「そんなの知らねえよ」って感じで、一発で仕留める可能性もあります。
――そこがスリリングで面白いところです。
それで最初にも言いましたけど、マクレガーがどんなつもりで試合に臨んでくるのかっていうのが、本当に重要だと思うんですよね。勝っても負けても、その後どうしていくつもりなのか。だから試合中の攻防だけじゃなく、試合前の言動から試合後のインタビューまで、全部踏まえて“マクレガーの試合”だと思いますね。全てを見届けてもらいたいと思います。
試合の模様は、「生中継!UFC -究極格闘技- UFC257 in アブダビ コナー・マクレガー、再降臨」と題し、1月24日正午からWOWOWプライムで生中継。WOWOWメンバーズオンデマンドでも同時配信。同月27日午前5時50分からWOWOWライブでリピート放送もされる。
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2024年11月22日 20:00時点
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