海に眠るダイヤモンド
第4話 沈黙
11月17日(日)放送分
女優の吉田羊さんと俳優の國村隼さんがダブル主演を務める連続ドラマ「生きるとか死ぬとか父親とか」が、4月からテレビ東京系で放送されることが2月16日、明らかになった。ドラマは、ラジオパーソナリティーやコラムニストなどで活躍するジェーン・スーさんの同名の著書(新潮社)が原作で、ジェーン・スーさんをモデルにした主人公を吉田さん、主人公の父親を國村さんが演じる。
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主人公・蒲原トキコ(吉田さん)は20年前に母を亡くし、今では父の蒲原哲也(國村さん)がたった一人の肉親だった。破天荒な人生を歩み、自由奔放で愛嬌(あいきょう)のある70代の父、独身で勝ち気な40半ばの娘。一度は絶縁寸前までいった2人だが、今ではときどき外食しながら話をする関係になっている。ある日、トキコは父についてのエッセーを連載することになり、父に会うたびいろいろな家族の思い出を聞く。しかしそれは楽しい記憶ばかりではなく、母との出会い、全財産喪失、そして他の女性の影……といった家族の物語を描く。
劇中では、主人公がパーソナリティーを務めるラジオ番組で、「お悩み相談のコーナー」が登場する。ジェーン・スーさんもラジオ番組でお悩み相談コーナーを担当しており、今作のラジオシーンのせりふはすべてジェーン・スーさんが監修する。
メイン監督は、映画「溺れるナイフ」(2016年)、「21世紀の女の子」(2019年)、「ホットギミック ガールミーツボーイ」(2019年)などで知られる山戸結希さんが務める。山戸さんは連ドラ初監督。
ドラマは深夜ドラマ枠「ドラマ24」(金曜深夜0時12分)で4月9日から放送される。
言葉豊かで聡明なジェーン・スーさんを、私のようなものが演じさせていただいていいものかと正直尻込みしました。けれど、読ませていただいた原作と脚本がとてもすてきで、何より、スーさんとお父様がとっても可愛くて、この親子の魅力を、私を通じて皆さまにお伝えできたらと、願うような気持ちでお引き受け致しました。
お父さん役の國村さんとは、9年ぶりの共演です。穏やかで軽やかで、よく通る口笛を吹きながら現場入りされ、関西人ならではの話術でおもしろ話をいつも聞かせてくださいます。尻尾をつかませないひょうひょうとしたたたずまいは、どこか今回の「お父さん」にも通じていて、「してやられた!」と最後は笑って許してしまう、そんな人間力をお持ちの方です。不思議なもので、親子を演じていると似てきて、同じタイミングで空を見上げたり、ため息をついたり、口元を拭ったり……今回、密度の濃い撮影のため、日一日と互いの円が重なっていくのが面白いです。その重なりを求めたスーさんの思いを、我々親子が演じることですてきに表現できたらいいなと願っています。
私自身も、4年前に母を亡くしています。反発ばかりでしたが、それが母の愛を求める裏返しだったと気づいたのは母が亡くなる直前のこと。もっとこうすればよかったという後悔はいまだにたくさん。と同時に、健在の父に対しては、そんな思いはしたくないという決意のようなものは、スーさんと同じかなと思います。なので、トキコを演じながらも、私自身の人生を生きている感覚。スーさんは書くことで、私は演じることで、皆さんは見ることで、それぞれの家族と向き合い、何かしらのヒントが見つかれば幸いです。家族、友人、恋人、仕事……日々私たちを悩ませるあれこれに響くスーさんの正直で的確な言葉たちに、そしてこの親子の「小さな一大事」に、ぜひ会いに来てください。ふっと心が軽くなりますよ。どうぞお楽しみに。
企画を拝見して、まさに今をとらえた内容だと思いました。<家族>のかたちもさまざまになり、昔のように二十何歳かで娘は嫁にいき、また親は息子やその嫁と同居なんてちょっとしたファンタジーになりつつあります。
ジェーン・スーさんの原作は親の世代も子供の世代もそれぞれの暮らしやすさを追い求めながら、またそれゆえの衝突もあり、少しの苦みとゆるやかな楽しみのなかで人生は過ぎて行く、そんな面白さをまざまざと描き出していきます。
共演する吉田羊さんは、軽やかに過酷な現場を楽しんでおられて、私もそのおすそ分けをいただいている気分になってしまいます。台本を読みながら、そして演じながら、したいことはするしかない。しかしそのしっぺ返しは甘んじて受けるんだぞ。肝(はら)はくくっておくもんだ。という人生の教訓・三カ条をいただいたと思っております。そんなわけで、私にとってこの父親役は十年ほど先の年齢になりますが、今のうちに、自分自身がどんな齢の重ね方をしたいのか?と、考えてみるきっかけにもなりました。ま、そうそう答えは出ませんけれど。
ドラマをご覧いただいた皆様のご感想をお聞かせください。大人になってからの親子の物語、ほんわか甘苦いです。
父と私の、ごく私的な日常が映像になるなんて! 父にとっても私にとっても、身に余る光栄です。ドラマ化にあたり、創作していただいたフィクション部分も大変気に入っています。
そして、まさか吉田羊さんにジェーン・スーを演じていただけるとは。「ジェーン・スーを美しく修正すると吉田羊さんになる」と友人から言われたことがあり、恐縮ながらうれしい気持ちでいっぱいです。國村隼さんに父を演じていただけること、天国の母も喜んでいると思います。大人になり、親との関係のつむぎ直しを考え始めた皆さんに楽しんでいただけたら光栄です。
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