菅原小春:「おかえりモネ」でアスリート役 “躍動感”で脚光 「いだてん」に続き“身体能力”武器に

連続テレビ小説「おかえりモネ」で鮫島祐希を演じる菅原小春さん (C)NHK
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連続テレビ小説「おかえりモネ」で鮫島祐希を演じる菅原小春さん (C)NHK

 清原果耶さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「おかえりモネ」(総合、月~土曜午前8時ほか)で車いすアスリートの鮫島祐希を演じている菅原小春さん。菅原さんといえば、世界的ダンサーとして活躍する一方、2019年の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」では日本人女性初のオリンピック選手・人見絹枝役を好演し、役者としても才能を光らせた。「おかえりモネ」でもユニークな演技で視聴者を魅了している。

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 ◇まるで本物のアスリート 自慢の身体能力で“躍動感”

 菅原さん扮(ふん)する鮫島祐希は、車いすマラソンの選手。パラリンピックの選考会で熱中症になって代表を逃したという過去がある。ウェザーエキスパーツの百音(清原さん)たちから、競技日の気象情報や自身のコンディショニングなどのサポートを受けながら夢を目指すという役どころだ。

 菅原さんの“武器”の一つは、ダンサーとして培った抜群の身体能力。「いだてん」では、菅原さんの身体能力がいかんなく発揮された。劇中で描かれた絹枝の“躍動感”は、菅原さんの身体能力があってこそリアルに体現され、多くの視聴者がその動きに惹(ひ)きつけられた。

 「おかえりモネ」で演じる鮫島も、奇(く)しくもアスリート。闘志に燃えた表情を浮かべて、汗だくになって練習に励むシーンや、選考会場のトラックで一心不乱に車いすを走らせる姿は、思わず本物のアスリートかと見まがうほど。見る者に“躍動感”を伝える演技は、まさしく菅原さんの得意技である。

 放送後のSNSには、「普通にアスリートにしか見えない」「もはや本物のアスリート」「絹枝さんとは全く違うけれど、こりゃまた魅力的」「人見絹枝さんを思い出してグッとくる…」「いだてんの人見絹枝さんと同じくまたかっこいい役だ」といった感想が次々と書き込まれ、今や人気キャラクターの一人となっていることがうかがえる。

 ◇アスリートならではの苦悩も体現

 スポーツを題材にした作品ではしばしば、アスリートの苦悩や葛藤にも焦点が当たる。「いだてん」では、菅原さんが、初めてアムステルダムオリンピックに出場した絹枝の苦悩を見事に表現したことが話題になった。

 今回の「おかえりモネ」でも、8月11日放送の第63回で、鮫島が百音に対して、「助けてもらってばっかりやからな、私は。ありがたいと思ってるよ? でもな、助けてもらってばっかりやと、ときどきつらくなんねん」と吐露するシーンが登場。威勢の良い関西弁を話し、パワフルなイメージが印象的な鮫島だが、“舞台裏”では真逆の一面があることをのぞかせた。

 同回では、鮫島と百音が衝突する姿も描かれ、「風を切り裂く“感覚”で勝負してみてもいいんじゃないか」と提案する百音に対して、鮫島は「感覚?」「今さら何言うてんの? 感覚だけを頼りにやってきたから勝てなくなったんやん!」と強く反論。絶対にパラリンピックに出場したいと願う、鮫島の意志の強さの裏にある“アスリートの孤独”を再認識させられるシーンに仕上がっていた。

 12日放送の第64回では、ついに選考会に挑んだ鮫島。さまざまな葛藤を抱えていた鮫島だが、競技場を駆け抜ける姿は、見る者を圧倒する“力強さ”で満ちあふれていた。菅原さんだからこそ生み出せる“躍動感”が存分に発揮され、同回は第13週のハイライトとなった。

 13日放送の第65回では、無事に強化指定選手に選ばれ、パラリンピックに向けて着々と前進していく鮫島。今後はどんな形で視聴者をワクワクさせてくれるのか。菅原さんの演技に期待したい。

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