銀河の一票
#8 あなたの『声』を聴かせてください
6月8日(月)放送分
ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組を放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は、7月12日午後10時から日本テレビ系で放送される俳優の赤楚衛二さん主演の連続ドラマ「こっち向いてよ向井くん」を紹介する。
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原作は、ねむようこさんの同名マンガ(祥伝社)。元カノの美和子(生田絵梨花さん)の残像を引きずり、気づけば10年間恋をしていない向井悟(赤楚さん)らのラブストーリーだ。
2クールで本作含め3本の連ドラにメインどころで出演、その前は朝ドラでヒロインの相手役と多忙を極めている赤楚さんの主演作。演じる向井くんは実年齢(29歳)より少し年上の役どころだが、昔の彼女に「俺が守るから」と言ってきょとんとされる場面や彼女との思い出の場面など、回想シーンも多々あるので、どちらも無理なく演じられている。
そんな赤楚さんが演じる向井くんだが、ちょっとこだわりがあるようには見えるものの、記者からすれば、一見するとそこまで“地雷感”が強いようには思えない。「かっこいいし性格もいいのに、なぜか彼女いない人」というカテゴリーのキャラクターだ。
ただ、このドラマが面白いのは、あくまでもそれが一側面からの見方でしかないことを気付かされる点だ。向井くんから飛び出した「ずっと守ってあげたい」となんだかドラマのようなせりふは「いや、何から?」と突っ込まれる。向井くんの“恋愛ご意見番”で、波瑠さん演じる坂井戸洸稀によって、「なぜか彼女いない人」の“なぜか”の理由がほんのりと、時には残酷なまでにはっきりと明かされてしまうのだ。
人生において恥ずかしいことの上位に入ると思われる「『この人自分のこと好きかも』という勘違い」。これも一側面からの見方で、第三者から見ると「いやいや、それは勘違いでしょ」とあっさり真相に気付けることもある。このドラマには、囲碁でいう「傍目(おかめ)八目」ならではの“あるある”がたくさん詰まっている。もっとも、そんな第三者も当事者になった瞬間に同じことになってしまうのもこれまた“あるある”だろう。
見ているこちらも「助けて……、やめてあげて」と思わず顔を覆ってしまう、いわゆる“共感性羞恥”を感じまくることこの上ない本作。ついついクセになってしまうこと請け合いだ。個人的には、元カノの美和子を演じる元乃木坂46の生田さんが、AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」の振りを練習していた回想シーンにニヤリとさせられた。美化されていく思い出を引きずる向井くんが“こっちを向いて”恋愛戦線に復帰できるのか注目したい。
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