ライオンの隠れ家
最終話 僕たちの新しい始まり
12月20日(金)放送分
「日曜劇場」枠(TBS系、日曜午後9時)で放送中の鈴木亮平さん主演の連続ドラマ「下剋上球児」が、12月17日の放送で最終回を迎える。ついに決勝進出を決めた越山高校野球部は甲子園に行くことができるのか、結末を描く。南雲役の鈴木さんは「甲子園に行けるかはもちろん『部活ってなんだろう』とか『どうして僕たちはスポーツをするんだろう』とか、その先の人生でこれがどう役に立っていくのか……も描いているのが、グッとくるところかなと思います」と話す。鈴木さんと黒木華さんに、これまでの撮影や、最終回について聞いた。
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(鈴木)テレビで見ていると自分の知っている子たちの成長を見ている気がする人も多いと思います。僕たちも彼らの成長をずっと見届けてきて、僕自身も南雲として色々乗り越えてきたので、2年ぐらい撮影している気持ちになるくらい濃密でした。
(黒木)こんなことはあまりないのですが、思い出がありすぎて、先生として球児それぞれに思い入れもあるので、グッときてしまいますね。見てくださっている皆さんも大好きになってくれていると思うので、より深く感情移入して見てくださるのかなと。
--今回、たくさんの球場で撮影されたと思いますが、試合シーンでの思い出はありますか?
(鈴木)試合シーンになると本当にみんな目の色が変わるんです。もちろん台本はありますが、本当に入り込んでいるので、泣くシーンではないけど涙が出てしまったり、結果が分かっていても本番をやるたび、号泣して返ってくる球児たちの姿をたくさん見ました。最終回で描く決勝戦の対戦校である伊賀商業の子たちは、原案の白山高校の当時のメンバーと対戦校の松阪商業の混合チームなんです。その話を聞いただけで胸が熱くなりました。
(黒木)野球のシーンは「すごい」としか言いようがないのですが、放送されていない部分でもたくさん打ったり投げたりしていて、素晴らしいプレーばかりでした。試合のシーンは越山高校の球児たちはもちろん、相手高の皆さんなしでは成立しなかったと思います。引退していった球児たちの負け試合を見ていた時は「勝たせたかった……!」と先生として思っていました。
(鈴木)撮影期間で年齢は変わっていないのに、本当に高校生が2、3年掛けて変わっていくというのはドキュメンタリーのような感じでした。
(黒木)皆さんの成長ぶりには本当に驚かされっぱなしでした。キャプテンになった椿谷(伊藤あさひさん)は、特に。
(黒木)好きな俳優さんであり尊敬する先輩でもあり、共演回数も多いので、私自身の成長も見てくださっているような先輩です。今回の作品では特に“現場での居方”が素晴らしく、私も見習いたいと思いました。
(鈴木)先輩と言ってくださいますが、僕も尊敬しています。テレビで見ていて、自分がいないシーンや、いたけど気づけていなかった華ちゃんのお芝居とかに、いつも楽しませてもらっていますし、感動させられています。第9話で言うと、調子に乗る久我原(橘優輝さん)に「ちゃう!」と間髪いれずにツッコんでいるところが好きです(笑い)。ツッコミのタイミングがツボに入ってしまって、何度も見返してます。
(黒木)私は楡(生田俊平さん)が予告ホームランをした時に、南雲監督が「そんなのいらないよ!」と言うところが好きです。
(鈴木)今回、台本にないそういうセリフもたくさん使われてますよね。
(鈴木)脚本で書かれていることですが、普通調子に乗っている球児を見て「調子のんなよ」と抑え付けるかもしれませんが、南雲と山住は「それは彼らのいいところだから」となるところが面白いと思いましたし、脚本の奥寺さんの愛なんだろうなと思いました。それぞれのキャラクターの心情の描き方がすてきですよね。
(黒木)球児たちも“ザン高感”というものを意識しながらやってくれていたし、最初は「仏の南雲、鬼の山住」だったところから終盤にかけてミックスされていくところや、球児たちの個性を生かすところが素敵でした。南雲夫婦のチーム感もとてもすてきだなと思ってみていました。
(鈴木)特別なドラマだったなと感じています。たくさんノックもしましたし(笑い)。野球がこんなに楽しいものだと知れたことや、“甲子園にいく”ということが思っていた数百倍難しいことで、彼らに特別であることもわかりました。何より“教育”ということも考えて、球児たちに何かを伝えるときには「どうやったら俳優としても、役としても彼らの今後の人生に響くかを考えました。どんどん変わっていく彼らを見て、次の世代にどう伝えていくべきか、こんなにもそれぞれの成長に喜びを感じられたことは、このドラマでいただいた財産だなと思います。
(黒木)これまで出演させていただいた作品は、もちろん全て大切で大好きなのですが、その中でもちょっと付箋を貼るような作品がいくつかあって、その中の1つになったと思います。きっとまたどこかで思い出すだろうし、球児たちが別の作品に出ている姿を見ても思い出すだろうし。学園ドラマに出演したことがなかったので、思い出としてブックマークするような作品になったと思います。
(鈴木)甲子園にいけるかはもちろん、“部活ってなんだろう”とか、“どうして僕たちはスポーツをするんだろう”とか、その先の人生でこれがどう役に立っていくのか……みたいなところも描いているのが、グッとくるところかなと思います。あと、監督として具体的に1つ言うと「犬塚翔(中沢元紀さん)のピッチング」です! これはもう、撮影云々ではなく最高のピッチングを見せられると思いますので、ぜひご覧ください!
(黒木)当初から塚原監督や新井プロデューサーがそこを描きたいとおっしゃっていましたが、果たして甲子園にいけるのかはもちろん、みんながそれぞれどう成長していくのか“部活のその先”についても見どころかなと思います。
(鈴木)最終話、いよいよ試合開始です! 果たしてザン高野球部は甲子園にいけるのか! 最終回をまずは存分に楽しんでいただき、俳優としてもこれから球児キャストたちの今後の活躍を見守っていただければと思います。最終回、胸が熱くなりますので、ぜひご覧ください!
○……ドラマは、教師の夢を捨てきれず32歳で大学に再入学して高校教師になった南雲が、廃部寸前の野球部の顧問になり、甲子園を目指す物語。菊地高弘さんの同名ノンフィクション(カンゼン)にインスピレーションを受け企画。登場人物や学校、あらすじはすべてフィクションとして描いてきた。
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