めぐる未来:ドラマ誕生秘話 単なるサスペンスドラマではない深み

「めぐる未来」の一場面(c)辻やもり/芳文社/ytv
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「めぐる未来」の一場面(c)辻やもり/芳文社/ytv

 俳優の萩原利久さん主演の連続ドラマ「めぐる未来」(読売テレビ・日本テレビ系、木曜午後11時59分)。辻やもりさんのマンガが原作で、感情の起伏を引き金に“過去へ戻る病”を抱える襷未来(萩原さん)が、妻・めぐる(早見あかりさん)の転落死をきっかけに過去へ戻り、死の真相に迫る“考察型サスペンス”だ。初回放送後、SNSでは妻の転落死について「みんな怪しすぎて予想つかない」「誰が犯人か気になって仕方ない」「すごいハラハラした」などと話題になっている。読売テレビのウェブサイト「読みテレ」に、ドラマを手掛ける読売テレビの山本晃久プロデューサーがドラマ化にいたるまでの撮影秘話を語ったインタビューが掲載された。

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 山本プロデューサーは、ドラマを企画した狙いを「シンプルで分かりやすいエンターテイメントにしたいということでした」と語る。

 「前回担当したドラマがヒューマンドラマだったということもありますし、私自身がこれまで経験していなかったジャンルに挑戦したみたいと言う気持ちがありました。そこで出会ったのが『めぐる未来』です。“過去に戻る”という要素は、本来であれば非常に便利な“能力”になるはずのところを『めぐる未来』では、主人公の未来にとってこの能力は“呪いの病”であり、それ故に人と接しない孤独な人生を主人公は送ってきた、という設定がこれまでになくて興味を持ちました。また、めぐるを殺した犯人は誰なのか?という謎解き要素だけではなく、孤独に生きてきた未来がめぐると出会い、そしてめぐるを救う中で人と出会い、“家族”というものに向き合っていく姿も描かれていて、単なるサスペンスドラマだけではない深みがあると感じ、ぜひドラマ化したいと思い今日に至っています。あとは、世間的にもタイムリープや異世界転生などの設定を受け入れてくれる土壌ができていた、というのも今回の企画に決めた要因でもあります」

 「台本を作る中で難しかった箇所はたくさんありました」とも明かす。

 「まず、原作全5巻からドラマ全10話にする際に、どの部分をオリジナル要素として膨らませていくのかに悩みました。結果、原作にはない登場人物(刑事の時任まこと)を設定したり、未来が病を発症し過去へ戻る回数や、めぐるの死ぬ回数も大きく変わりました。原作を読まれた方は、ぜひ比較しながら楽しんでいただければと思います。また、通常は撮影が始まった時には、まだ後半の台本ができていないということが多いのですが、今回はクランクインの前に最終話までの台本を作って撮影に臨みました。というのも、何度も同じ場面にタイムリープするため、そのシーンは一緒に撮る必要があるのと、話数が進んで真相が分かってくる時のために伏線を張って、後出しじゃんけん的にならないようにしたかったからです。実際の撮影でも、いきなり第1話と最終話のシーンを撮る、ということが起きていました。映像的には、内容が暗い方向になりがちですので、あえて明るくてきれいな色合いの画(え)にしています。それが、幸福な瞬間はより幸せそうに、絶望の瞬間はより残酷に見せる効果を生んでいると思います」

 山本プロデューサーは、ドラマの見どころを「めぐるの死が自殺ではなく、何者かに命を狙われていたことがわかり、未来は改めてめぐるの職場の人間の中に犯人がいるのでは?と疑惑を向けます。めぐるの親友だった干支ゆりかに協力を頼み、犯人をあぶり出そうと動き出すのですが、未来の思惑通り事は進むのでしょうか。これからさらに未来は過去へループすることで、さまざまな出来事に翻弄(ほんろう)されていきます。一体、未来は何度過去へ戻るのか? めぐるは何度殺されるのか? 犯人は誰なのか? そして、未来はめぐるを救うことはできるのか? 何回も番組を見ていただき、考察しながら楽しんでいただければと思います」と話している。

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