伊藤沙莉さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」(総合、月~土曜午前8時ほか)で、主人公・寅子(伊藤さん)の娘・佐田優未を演じ、注目を集めている川床明日香さん。2014年にファッション雑誌「nicola(ニコラ)」(新潮社)のモデルオーディションでグランプリに輝き、芸能キャリアをスタートさせてから10年、以前からの目標だった朝ドラ出演を果たした。「最近になってようやく点と点が結ばれて線になってきたと感じることが増えた」という川床さんに話を聞いた。
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川床さんは2002年7月10日生まれ、福岡県出身の22歳。ニコラモデル(ニコモ)や積水ハウスの企業CMなどを経て、2019年公開の映画「ピア~まちをつなぐもの~」(綾部真弥監督)でスクリーンデビューし、同年11月放送の連続テレビ小説「なつぞら」のスピンオフドラマにも出演。2022年には福山雅治さん主演の「ガリレオ」シリーズの映画「沈黙のパレード」(西谷弘監督)にも起用された。
放送中の「虎に翼」には、第24週「女三人あれば身代が潰れる?」(9月9~13日)から優未役で登場。クライマックスへと向かうドラマに、主人公の娘として彩りを加えている。
「朝ドラは目標だったので、まさかのタイミングではあったのですが、出演が決まったと知ったときは本当にうれしかったです。自分の中で、最近になってようやく点と点が結ばれて線になってきたと感じることが増えて。今まではずっと足踏みしてるような感覚があったのですが、それが実はそうじゃなかったんだと思わせてくれた作品にもなったのかなと思います」
今回は撮影終盤からの参加となったが「本当に温かいチームで、キャストさん、スタッフさん一人一人が愛を持って接してくださいました」と感謝。
「またここに“帰ってきたいな”と思いましたし、ここからさらに頑張る理由がまた一つ増えた気がしています。明確に『次はヒロインで』ということではなく、自分のお芝居をもっと磨きたいと思える理由が、また新たに見つかったというか」
川床さんは現在大学4年生。改めて「自分はこの道(=俳優)を進んで行くぞ、と意気込んでいたところで『虎に翼』に出会えたのは、一つ背中を押してもらった気もします」と話す。
その上で「今後どういう作品に出たい、どういう役を演じたいというより、最近はお芝居が上手になりたいという欲がすごくあるのを感じていて。うまくなるためにはどういうふうに普段過ごしていけば、お芝居の幅、厚みが出せるようになるかを考えるようにはなりました」とも明かしている。
そんな川床さんは、お芝居に生かすための社会経験として、自ら進んでアルバイトもしているという。
「私はお芝居をする上で、自分の経験の中からでしか引き出せないタイプ。そういった意味で、今後より必要になっていくのは社会経験なのかなと。これまでは学生として、周りと同じ経験ができてきたけれど、この先、社会人とか、自分が経験してこなかった役を演じなくてはいけない機会がきっと増えるだろうから、そのための経験を増やしていくことは、今後も大切にしていきたなと思っています」
さらにはアルバイトをすることで「1時間働いていくら、とか、目に見える成果、物の価値観を知る上でもいい経験になっています」とほほ笑む川床さん。最後に、デビューから10年近くがたった現在の心境を聞くと……。
「何気にもう10年目で、来年11年と考えると、自分の年齢のほぼ半分、この仕事をしてきたことになってしまうんですよね。だからというわけではないのですが、始めたときは嫌だったことも含めて、このお仕事がアイデンティティーになっているということを自分の中で認められるようになったというか、素直に楽しいと思えるようになった気はしています」