解説:新朝ドラ「おむすび」のヒロインが誕生 独断と偏見で紹介する「平成元年」 “同い年”の有名人、スポーツ界では何が? 

NHK連続テレビ小説「おむすび」で橋本環奈さん演じる平成元年生まれの主人公・米田結 (C)NHK
1 / 1
NHK連続テレビ小説「おむすび」で橋本環奈さん演じる平成元年生まれの主人公・米田結 (C)NHK

 橋本環奈さん主演で、9月30日にスタートする2024年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「おむすび」。平成元年生まれのヒロインが、どんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、パワフルに突き進む“平成青春グラフィティー”だ。朝ドラで平成が主な舞台となるのは、2022年度後期の「舞いあがれ!」以来、4作ぶりとなるが、ヒロインが生まれた平成元年とはどんな年だったのか、独断と偏見で紹介する。

あなたにオススメ

 ◇「おむすび」主人公と同い年 平成元年生まれの朝ドラヒロインは?

 結果的に“昭和最後の日”となった1989年1月7日、昭和天皇が崩御し、翌8日、わずか7日しかなかった「昭和64年」に代わってスタートしたのが「平成元年」だ。「おむすび」の主人公・結(ゆい、橋本さん)は、この日(元号が平成に変わった最初の日=1989年1月8日)に生まれたとされる。

 当時、放送されていた朝ドラはというと「純ちゃんの応援歌」(1988年度後期)。主演は山口智子さんで、後に夫となる唐沢寿明さんも出演。同年4月からは清水美砂さん主演の「青春家族」(1989年度前期)が始まっている。

 「おむすび」の主人公と同い年となる平成元年生まれの芸能人で、朝ドラと縁が深そうなのは、まずは多部未華子さんと夏菜さんが挙げられる。ご存じのように二人は朝ドラヒロイン経験者。多部さんは「つばさ」(2009年度前期)、夏菜さんは「純と愛」(2012年度後期)で主人公に扮(ふん)した。

 朝ドラヒロインの“相手役”では、「半分、青い。」(2018年度前期)の佐藤健さん、今月27日に最終回を迎えた「虎に翼」(2024年度前期)の岡田将生さんが平成元年生まれ。「花子とアン」(2014年度前期)に出演した賀来賢人さんも佐藤さんや岡田さんと同い年で、現実世界において、朝ドラ「瞳」(2008年度前期)のヒロイン・榮倉奈々さんと2016年に結婚している。

 なお「おむすび」には主人公の姉役で、平成元年生まれの仲里依紗さんが出演する。演じる歩は、福岡で“伝説のギャル”として知られる人物。主人公とギャル、そして平成をつなぐキーパーソンだといい、仲さんがどんな演技を見せてくれるのか、一つの見どころとなりそうだ。

 ◇プロ野球はパ・リーグが大混戦 「平成の大エース」が“大記録”

 「おむすび」の登場人物でひそかな注目を集めているのが、松平健さん扮する主人公の祖父・永吉だ。野球のホークスファンで、ちょっと懐かしいダイエー時代のホークスのキャップをかぶったビジュアルが野球好きの間で話題になっている。

 そんな永吉が愛するホークスが「南海」から「ダイエー」へと変わったのが、平成元年。本境地も大阪から福岡へと移転している。

 同年のプロ野球界では、パシフィック・リーグが大混戦。5連覇を狙う西武ライオンズ、前年に惜しくも優勝を逃した近鉄バファローズ、そしてホークスと同じく親会社が「阪急」から「オリックス」へと変わったオリックス・ブレーブス(当時)の3球団が、最後の最後まで覇権を争い、結局はバファローズが、ラルフ・ブライアント選手の活躍などもあり、僅差でパ・リーグを制した。

 一方、セントラル・リーグは、読売ジャイアンツが優勝。立役者の一人がこの年、20勝を挙げた斎藤雅樹投手。「11試合連続完投勝利」という、いまだ破られていない記録を打ち立てると、翌年も20勝と、同投手は「平成の大エース」と呼ばれるように。

 そんなジャイアンツとバファローズが激突した日本シリーズは、ジャイアンツが3連敗から4連勝し、逆転で日本一に。3連勝したバファローズの加藤哲郎投手が「巨人はロッテより弱い」と言ったとか言わないとか、多くの“ドラマ”を生んだシリーズとしても、ファンの間で語り継がれている。

 ◇バブル景気の象徴「F1」人気 “セナ・プロ対決”は確執もピークに

 そのほかスポーツ界では、バブル景気の一つの象徴とも言える「F1」人気が盛り上がっていた時期。平成元年は前年同様、「マクラーレン・ホンダ」のアイルトン・セナとアラン・プロストの両ドライバーによってチャンピオン争いが繰り広げられた。

 この年は、イタリア・サンマリノグランプリでの「紳士協定」を破ったとか破ってないとか、とにかく両ドライバーの間でくすぶっていた確執がこれまで以上に表出。3年目を迎えた三重県・鈴鹿サーキットでの日本グランプリではレース終盤、二人の車が衝突。セナは車体を修理して最後まで走り切り、トップでチェッカーを受けるも、衝突した際にコースを「ショートカットした」ことを理由に失格となり、プロストがワールドチャンピオンになるという後味の悪いものに……。

 と、ここまで独断と偏見で紹介してきた平成元年。今から35年前のことで思い浮かべるものは人それぞれだろう。

 ちなみに「おむすび」の物語は平成16(2004)年スタート。わりと身近な時代のような気もするが、果たして。劇中でどんな平成が描かれるのか、まずは9月30日の第1話に注目だ。

テレビ 最新記事