冬のなんかさ、春のなんかね
第1話 主演・杉咲花×監督/脚本・今泉力哉
1月14日(水)放送分
俳優の橋本環奈さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「おむすび」(総合、月~土曜午前8時ほか)で、“唯一無二の鬼ギャル”アキピーを演じているのが、お笑いタレントの渡辺直美さんだ。第80回(1月24日放送)に登場し、鮮烈な印象を残したアキピーの人物造形について、制作統括の真鍋斎さん、第16週の演出を務めた松木健祐さんに話を聞いた。
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渡辺さん演じるアキピーは、ヒロイン・結(橋本さん)の姉・歩(仲里依紗さん)の盟友。かつて歩と一緒に東京でギャルとして活動しており、現在は東日本大震災の被災地・岩手で娘と暮らしている。第80回で本格登場し、震災以降ふさぎ込んでしまった歩を東北弁でパワフルに元気づけた。
アキピーのキャラクターの造形について、松木さんは「金曜に全てを集約したので、全部伝えられてはいないのですが……」と前置きしつつ、「アキピーは、若い時に地元でギャルをやり尽くしてから上京したというキャラクター。東京でもギャルをやって、『egg』『Cawaii!』のような当時流行したギャル雑誌に出ていました。当時のギャル雑誌にはたくさん面白い企画があったのですが、そこでユニークなことをやって誌面を盛り上げていました。その時に知り合ったのが、歩とチャンミカ(松井玲奈さん)で、『3バカトリオ』と呼ばれていたという設定。その頃は、3人はいつも一緒にいて、常にみんなで笑っていました」と説明する。
そのほか、アキピーがセルフリメークの服を着て神戸にやって来たことを挙げ、「彼女たちギャルにとってファッションは命であり、自分を元気づける大切なアイテム。きっと仮設住宅はあまり色がない世界だと思うのですが、そういった中でも彼女なりに色のあるものを一生懸命作って、それをあえて着てきたというところがアキピーらしさのポイントになっています」と明かす。
そんなアキピーの人物造形の背景には、プロデューサーやディレクターが持っている“震災の記憶”や、徹底した取材があったという。
真鍋さんは「震災から1年後にドラマのロケで被災地を訪れた際に見聞きした体験や、東北出身の小説家・高橋克彦さんからいろいろなお話を伺うなど、実際に取材したものを通して、結局この物語の中で何が救いになっていくのかを考えました。歩自身の『私は本当に心の底から笑ったことがあったのだろうか?』という問いが、ものすごく大切になるのではないかと、脚本の根本ノンジさんと話しました」と振り返る。
「歩が本当に笑えた日々が渋谷時代だったことを思い返して、『そういえばアキピーって東北出身だったよね』というところから、歩はアキピーに物資を送るようになります。その時に歩自身が、苦しくても『笑う門には福来たる』みたいなことの大事さに改めて気付いたように思います」
真鍋さんは取材を重ねる中で、阪神・淡路大震災を経験した神戸の人が、東北の被災地に支援物資を送ったり、実際にボランティアで訪れるたりすることについて「痛みの共有というか、教訓として残っているからこそできること」と感じたという。
「大きな地震を経ていくごとに、一人一人の意識もバージョンアップしていくというステップのようなものを意識しました。もう少し精神的なことを言えば、無理にでも笑って元気を出そうというメッセージを込めたかったんです。歩自身、アキピーを通して自分の言動に元気をもらったのだと思います」
アキピーに励まされ、前を向くことができた歩。元気を取り戻した歩が物語にどのようなドラマを生み出していくのか。今後の展開からも目が離せない。
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