ばけばけ:糸こんにゃくは結局入っていたのか? そんなリヨの弁当を上回った、視聴者クギヅケの「午前8時11分」とは? 第45回の注目度

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第45回(11月28日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時11分の73.5%だった

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 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇やや低調な注目度でドラマはスタート

 第45回は、ヘブン(トミー・バストウさん)とリヨ(北香那さん)の“ランデブー”当日の話。錦織(吉沢亮さん)はなんとか2人を遠ざけようと画策するが、果たしてリヨの思いは実るのか。

 テレビの前の視聴者のうち、画面に視線がクギヅケになっていた人の割合を示す「注目度」はこの日、やや低めの立ち上がり。ヘブンが自宅を出発する場面やオープニングを経て、リヨとヘブンが松江で唯一の西洋建築である県庁の庁舎で待ち合わせる場面あたりから少しずつ注目度は上昇していく。県庁の庁舎内をリヨが案内し始める午前8時4分台で67.4%と最初のピークを作った。

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 その後、花田旅館で待機するトキ(高石さん)に「松江新報」記者の梶谷吾郎(岩崎う大さん)が“ランデブー”の場所がどこかと問い詰める午前8時5分台~6分台は注目度が下降線だったが、午前8時6分で底を打ち、再び場面が“ランデブー”の様子に切り替わると注目度は再上昇した。

 ◇いよいよ問題の弁当のシーン 注目度は2回目のピーク

 2回目のピークは午前8時8分の72.0%。昼時となり、県庁を散策していたリヨは持参した弁当をヘブンの前で開こうとする。錦織から、ヘブンの好物が糸こんにゃくと聞いたリヨは、果たして弁当に入れているのか? 糸こんにゃくが大の苦手のヘブンがどんな反応を示すのだろう? 視聴者はワクワクで次の展開を待っていたに違いない。

 だが、ヘブンはおなかがすいていないと断ったので、弁当のふたは開ける寸前でストップ。代わりにヘブンが「良い所にお連れしましょう」と提案し、リヨは大喜びだ。ヘブンはこっそり尾行していた錦織に声を掛け、全員である場所に向かう。注目していた弁当の話題から意外な急展開を迎えたのが午前8時8分台だった。

 ここからエンディングまでは、ほぼ横ばいの注目度が続く。午前8時9分と午前8時14分にわずかに70%を割り込むが、それ以外は70%台前半を維持した。

 ヘブンがリヨや錦織、父親の島根県知事、江藤安宗(佐野史郎さん)と向かったのは、松江城内の城山稲荷神社。大小さまざまな狐の石像が並ぶ様子に、すっかり夢中のヘブン。狐ばかりで、自分のことを見ようともしてくれないリヨは怒って、一人先に帰ってしまう。

 ◇最大のピークの3回目 ヘブンとトキの関係が一歩前進?

 3回目のピークで、この日最高値だったのは午前8時11分の73.5%。弁当の午前8時8分の72.0%も少し上回った。午前8時11分台は、帰宅したヘブンが何か作業をしている場面。傍らにいたトキにヘブンは絵を見せる。それは城山稲荷神社の狐の石像と、月照寺大亀像だった。見事な出来に「すばらしいです」とトキ。再び作業に戻ったヘブンの様子を、トキがのぞき込むと、机には、玄関にトキが生けた椿の花の絵もあった。椿の花を誉められたこともあるトキは本当にうれしそう。注目度が上がったのはヘブンとトキの関係も少しずつ前進している気配が感じられたからだろうか。

 この後、トキは帰宅するが、思わずうれしくなって自然とスキップの足の運びに。すると、今まであれほどできなかったスキップが完璧にできるようになっていた。トキが喜ぶ声を、書斎でうれしそうに聞くヘブンの表情も微笑ましい第45回のラストだった。

 ちなみに城山稲荷神社の狐の石像は小泉八雲が毎日のように足を運び、愛したスポットとしてことに有名。「玉を持つ石狐を見つけると願いが叶う」という言い伝えもある。放送開始前に、松江で開かれた「ばけばけ」の記者会見は城山稲荷神社で開かれ、会見時の高石さんとバストウさんの写真は神社の参道で撮影された。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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