俳優の中村雅俊さんが12月15日、都内で開かれた映画「五十年目の俺たちの旅」の原作本「噴水 五十年目の俺たちの旅」の出版を記念したトークショーイベントに登場。映画の
原作・脚本を担当した鎌田敏夫さんと「俺たちの旅」の魅力を語り合った。
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「俺たちの旅」は、中村さん演じるカースケ(津村浩介)と、秋野太作さん演じるグズ六(熊沢伸六)、田中健さん演じるオメダ(中谷隆夫)による青春群像劇で、1975年10月から約1年間、日本テレビ系で放送された。放送開始10周年時に「俺たちの旅 十年目の再会」、20周年時に「俺たちの旅 二十年目の選択」、30周年の前には「俺たちの旅 30年SP 三十年目の運命」がそれぞれスペシャルドラマとして放送された。
スペシャルドラマは、連ドラから引き続き、鎌田さんの脚本、斎藤光正さんの監督のコンビで制作されたが、40周年時には斎藤監督が死去していたこともあり制作されなかった。今年で放送開始50周年を迎えるに当たり、最新作「五十年目の俺たちの旅」として中村さんの主演・監督で映画化され、2026年1月9日から公開される。
当時の大学生ら若者を主役に、生きることの意味を描いた青春群像劇として今なおファンが多い。鎌田さんは「男女7人夏物語」「男女7人秋物語」「金曜日の妻たちへ」などの名作ドラマを数多く生み出してきたが、続編がこれほど作られるのは「俺たちの旅」ならでは。中村さんが「鎌田さんは『俺たちの旅』のことが大好きなんですよ」と指摘すると、鎌田さんは「もちろん好きです。好きじゃないと50年もできないもんね。そういうことです」と認め、集まったファンから拍手が巻き起こった。
「俺たちの旅」のテーマについて、鎌田さんは「切なさ」と語る。中村さんも「青春ものって、ともすれば明るいだけということもあるけど、『俺たちの旅』はちょっと違っていて。生きていることは楽しいけれど、同時に切なさがある、ということがあったので。(映画も)『生きているって切ないよね』ということをテーマにしました」と明かすと、鎌田さんは「切なさって、ある程度、年齢を重ねないと分からないものだから。それは皆さん、よく分かっていただけると思います」と映画をPRした。
映画では、70代に入った3人の現在と、50年間の歩みが描かれる。中村さんは最新作について「映画には70過ぎになったおじさんふたりと、80過ぎのおじいちゃんが出てきてストーリーを作っていくんですけど、『青春もの』というのは絶対に感じられるし、そういう意味では切なさとか、生きてることの楽しさみたいなテーマはちゃんと描かれていると思います」と胸を張り、「この大好きな『俺たちの旅』という映画の監督をさせてもらったことは、本当に自分の中では誇りに変わっています。こんなに頑張ったから、ぜひ多くの人に見ていただきたい」と訴えていた。
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