ばけばけ:傷が癒えないトキに響いたサワの一言 視聴者が最もクギヅケになった場面は? 注目度データで第93回を振り返る

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 俳優の高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第93回(2月11日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時14分の63.7%だった。

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 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇“ラシャメン騒動”はまだ続いている?

 第93回は、ヘブン(トミー・バストウさん)が松江を離れることを決めた真意が少しずつ明らかになってきた回。タエ(北川景子さん)、勘右衛門(小日向文世さん)、三之丞(板垣李光人さん)は、熊本に行きたいというヘブンの提案について話し合う。タエと勘右衛門の話は、次第にトキの様子に変わっていき、“ラシャメン騒動”はまだ収まっていないという認識で一致する。トキ(高石さん)はサワ(円井わんさん)に、熊本行きの件を相談するが、思わぬ反応が返ってくる。

 テレビの前の視聴者のうち、画面を注視していた人の割合を示す「注目度」は、オープニング終了後、上下しながら3回、小さな“山”を作り、いずれの頂点も60%台前半にとどまった。この第19週は、注目度がやや低めで、その日の最高値も月曜の第91回から60%台が続いている。

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 ◇トキに響いたサワの一言

 3回のうち、最初の“山”は午前8時5分(61.9%)。雨清水家に勘右衛門が訪ねてくる場面。勘右衛門と三之丞が世間ばなしをするうち、タエが足を洗う水を持ってくる。実は物語には大きな進展がない時間帯だ。タエが「勘右衛門殿は、例のおトキの騒動を知っていますよね?」と口火を切り、話が本題の“ラシャメン騒動”に入っていくのは午前8時6分から。注目度は一気に下がり始める。

 次の“山”は午前8時9分の61.6%。直前の午前8時8分(61.2%)と続けて、比較的高かった。

 午前8時8分台は、松江の商店で買い物中にトキが周囲の人々から「ラシャメンだって」とうわさされ、ののしられているという“幻影”を見る場面。過呼吸気味になり、慌てたトキは近くの山橋薬舗に駆け込む。2階にあるサロン「白鳥倶楽部」に入り、勉強中のサワに声をかけるあたりからが午前8時9分台。

 「おサワ!」と声を掛けるトキに、「誰?」とけげんそうな声を上げるサワ。トキが顔を覆っていた布から顔を出すと、「ほぉ、おトキ……」とサワにも笑いが漏れ、トキも「声でわからん?」と苦笑しながらもほっとする。午前8時8分台の緊張感が漂う場面から、9分台には一気に笑える場面へと一転する「ばけばけ」らしい展開に、視聴者も引き付けられたのだろう。別な言い方をすれば「怪談」っぽい急な展開でもある。

 ただ、この後、トキが松江を離れる話をサワに相談する午前8時10分以降は午前8時11分の53.9%まで注目度が急降下する。そこから反転し、最後にピークを迎えた午前8時14分でこの日の最高値63.7%を記録した。

 そんな午前8時14分台は、夕焼けが美しい宍道湖をトキが物憂げに眺める映像が最後まで続く。相談に対する、サワの答えがトキには意外だったが、心に引っ掛かるものがあったのだろう。

 「誰も知っちょる人がおらんということは、周りも誰も自分のことを知らんということだけんね」

 サワの一言が映像のバックに再び流れる。トキは心の中で、サワのこの言葉を反芻しているのだろう。今にも泣きだしそうな雰囲気もあるトキの表情のアップで、エンディングを迎えた。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」(関東地区、速報値)。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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