ボクシングのWBA世界スーパー・バンタム級王者の下田昭文選手(帝拳)は16日、帝拳ジム(東京都新宿区)で記者会見を開き、初の防衛戦を7月9日(日本時間10日)に米ニュージャージー州の「ボードウォーク・ホール」で行うことを明らかにした。海外での防衛戦は日本人王者初。対戦相手は19戦全勝(10KO)でランキング1位まで上りつめたホープの米国のリコ・ラモス選手。
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以前は練習環境などが変わることを極端に嫌っていた下田選手だったが、2年ほど前に日本タイトルを失い、再起戦で世界ランカーと引き分けた直後から意識が大きく変化した。「このままだとだめだと思ったんです。それまでは海外修業を打診されても断っていたのに、自分から『お願いします』と(帝拳ジムの本田明彦)会長に頼みました。本気でボクシングに集中しようと思ったからです」と心境が変化した理由を説明した。その結果、「メキシコで試合(1回TKO勝ち)もしたし、最高の経験になりました」と4カ月間の海外でのトレーニングが自身の財産になったことを喜んでいる。
下田選手は海外での防衛戦について「正直いって日本での試合の方が楽だと思うけれど」と不安を口にしつつ、「こういうこと(海外防衛戦)は自分の本当の力になるはず。不安はあるけれど、自分の場合、その方が挑戦の気持ちでやれるので力が出せると思います。日本人で初めて(米国本土での防衛戦)ということもやりがいになります。これも運命でしょう」と意気込みを語った。
挑戦者のラモス選手はWBO傘下のNABO北米ユース・スーパー・バンタム級タイトルを獲得した実績を持つ右のボクサーファイター型。下田選手はラモス選手について「スピードがあって運動神経もいい選手。パンチもある」と警戒を強める。「プレッシャーのかけ合いになるでしょうね。3ラウンドから4ラウンドまではペースの取り合いになり、そこから展開が動いていくと思います。先手を取って打たせずに打つ攻撃的なボクシングをします。自分にとっては正念場の試合。ベストバウトになると思います」と試合のポイントについても語った。試合の模様は7月10日午前10時55分からWOWOWで生中継される。(毎日新聞デジタル)
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