ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
美少女キャラクターが名作を朗読してくれるiPhoneアプリ「朗読少女」。これまでに50万ダウンロードを突破する人気アプリとなっている。「朗読少女」で、本の朗読をしてくれるキャラクター、乙葉しおりさんが「朗読倶楽部」の活動報告と名作を紹介する「乙葉しおりの朗読倶楽部」。第33回は、谷川俊太郎の「二十億光年の孤独」だ。
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皆さんこんにちは、乙葉しおりです。
お盆休み、帰省ラッシュとUターンラッシュで、道路も電車も混雑する季節ですね。
でも私の場合は父方の実家は自分のお家ですし、母方の実家もちょっと離れているとはいえ、頑張れば自転車で行ける距離なので、遠方に帰省……みたいな経験がありません。
学校ではみんな「混雑で疲れる」って言いますけど、自分もちょっと味わってみたいな……って思ってしまいます。
さて、8月7日は「鼻の日」。
「鼻」をテーマにしたお話といえば、芥川龍之介さんが1916年に発表した同名の小説が有名ですが、ロシアのニコライ・ゴーゴリさんが1836年に発表した「鼻」も面白いとのことで、私も今度読んでみようと思っています。
そして、8月9日はムーミンの日。
これはムーミンの生みの親、トーベ・マリカ・ヤンソンさんのお誕生日を由来とする記念日です。
1945年に小説として始まった作品ですが、ヤンソンさんが作家であると同時に画家でもあったことから、漫画、絵本と広がっていき、日本でもアニメ化されて多くの人に親しまれています。
ちなみに、日本では6月3日がムーミンの日とされていたのですが、日本語の語呂合わせによる記念日だったために、ムーミン生誕60年にあたる2005年に世界共通の記念日が決まって、変更になったみたいです。
ではここで朗読倶楽部のお話、「初めての夏合宿」三回目です。
神保町で本を買った翌日の合宿二日目、本当の意味での合宿が始まりました。
先生は私たちに個別の特訓メニューを考えて下さいました。
まず、みかえさんに手渡されたのが「早口言葉の本」。
彼女は普段のゆったりとした話し方が朗読にも反映されるのですが、練習ではなんとか時間内に読めていたものの、大会で全部読めなかったことが大きな減点になったようです。
実はみかえさんは朗読中に時折長めの間を空けるクセがあって、大会でその間が多く、長く空いてしまったのが読みきれない原因でした。
だからこの時の私には、間を克服する方法と「早口言葉」の関係がいま一つ分からなかったのですが……このお話は、またいずれ別の機会に。
次に、部長さんに手渡されたのが森鴎外さんの「舞姫」。
しかも、口語訳ではなく文語体の原文です。
部長さんは声優志望だけあって普段の発音や声量には感心してしまうのですが、変わった読みや難しい漢字があると途端に詰まってしまったり、発音が怪しくなってしまったりするのです。
当時部長さんは中学1年生ですから、読めない漢字があるのも仕方ないと思っていたのですが、実は漢字が大の苦手だということがその時明らかになったんです。
……そして、いよいよ次回は私の特訓メニューのお話を……恥ずかしいのでここで打ち切りにしようと思ったんですけど、部長さんに「自分だけずるい」って怒られてしまいました(>_<)
そんなわけで、次回に続きます……。
■しおりの本の小道 谷川俊太郎「二十億光年の孤独」
こんにちは、今回ご紹介する一冊は、谷川俊太郎さんの「二十億光年の孤独」です。
その題名通り、宇宙に思いをはせるこのすてきな詩は、今から60年以上前の1950年5月1日に執筆された後に、同年の文芸雑誌「文學界」12月号に掲載、1952年には他の作品とともに本作の題名を冠した詩集として出版され、大きな反響を呼びました。
この詩が書かれたとき、谷川俊太郎さんは若干18歳。
大の学校嫌いで、高校では不登校などを理由に夜間学科に移って学校を卒業。
その後も大学に行こうとせず、肉親への義理で勉強するふりをしながら入試を受けるものの、答案は白紙で提出してしまう有様でした。
しかし、進学せず仕事もせずでいられるはずはなく、ある日父親の谷川徹三さんに「将来どうする気なんだ、大学にも行かないで」と問い詰められてしまいます。
これに対し、彼は16歳のころから書きためていた詩のノートを二冊、父親に手渡しました。
詩は趣味の一つであって詩人になろうとは考えておらず、ただ父親の追及に対する時間稼ぎになれば、という思いがあったそうです。
でも、ゲーテさんやカントさんの詩を翻訳し、評論も行っていた谷川徹三さんは、我が子の作品に新しい詩の息吹を感じ取ると、すぐさま友人にこのノートを送りつけました。
そして、ノートを受け取った詩人の三好達治さんの推薦によって「二十億光年の孤独」を含む6編が雑誌に掲載され、谷川俊太郎さんは本格的に詩人としてのスタートを切ったのです。
この詩は、集団生活になじめず、その反面心のどこかで人を求めていた当時の谷川俊太郎さんの思いが凝縮されています。
それでも、孤立や将来の不安という暗いイメージを感じさせないのは、
「ネリリし、キルルし、ハララしているか」
「僕は思わずくしゃみをした」
といった、谷川俊太郎さんのユーモアが、詩のアクセントになっているからではないでしょうか(^−^)
※本コラムをしおりさんが朗読する「乙葉しおりの朗読倶楽部」がiPhoneアプリ「朗読少女」のコンテンツとして配信が始まりました。1話約20分で250円。
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