住吉美紀アナ:今夜、民放初出演 今後は「網を広げて出会いを待ちたい」

民放の番組に初出演する元NHKの住吉美紀アナウンサー
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民放の番組に初出演する元NHKの住吉美紀アナウンサー

 3月末でNHKを辞め、フリーになった住吉美紀アナウンサーが17日のMBS・TBS系バラエティー番組「1万人が選ぶニッポンの名場面」の司会で民放の番組に初出演する。8月上旬に東京都内のスタジオで同番組の収録を終えた住吉アナに、民放番組の初収録の感想やNHKを辞めたきっかけ、今後について聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 「1万人が選ぶニッポンの名場面」は、20歳以上の男女各5000人、計1万人を対象にしたアンケートを基に五輪での日本人選手の活躍やあさま山荘事件、キャンディーズの解散コンサート、山口百恵さんの引退などの国内の“名場面”映像をランキング形式で紹介する番組。ゲストに伊東四朗さん、戸田恵子さん、土田晃之さん、勝俣州和さん、柳原可奈子さんらが出演し、進行役としてお笑いコンビ「ウッチャンナンチャン」の内村光良さんとともに住吉アナが出演する。

 住吉アナは「私自身、収録前は初収録だから大丈夫かなとか、私、(他の出演者から)浮いちゃうんじゃないかなとかも考えたんですけど、実際に収録が始まったら、名場面の映像をのめり込んで見てしまいまして、結構楽しめました」と振り返る。NHKで「スタジオパークからこんにちは」を担当していたときに伊東さんや土田さんがゲストで登場したこともあり、面識のある人との収録は心強かったようだ。また、一緒に進行役を務めた内村さんに対しては「今日初めてご一緒したんですけど、とてもやりやすくて、私が進行役として(スタジオの)トークに割って入らなくてはいけないところを間を開けて入りやすくしてくださって。とても優しい方だなと思いました」と心遣いを感じたという。

 番組については「昔の名場面とかあまり見る場がないと思いますので、そのへんをぜひ見逃さないように楽しんでください。もちろん放送をオンタイムで見ていただきたいんですけど、永久保存版として録画した場合に、家に友だちが集まったときなどに結構自慢できるのではないかと。「あのゴールよかったよね」「映像あるよ」みたいに使えるのではないかと思います」とPRする。

 学生時代、海外生活が長かった住吉アナはNHKに在職中から、「ずっと日本に1年中いるような状況を現役の間ずっと続けるというのは、自分の大きな部分を無視しているような気がして、もうちょっと自由に動けたり、場合によっては長期間海外にいられるような状況を作り出せるような環境を築いていきたいという漠然とした思いはずっとありました」と明かす。そして昨年秋ごろ、「自然にそろそろいいのかもと思ったんですよね。あまり無理をせず、次のステップに踏み出したいととても自然に思いましたので、(時期が)いいような気がして決心しました」と退職を決意した。

 辞めたことは後悔しておらず、退職後しばらく自分の時間を満喫した。「しばらくゆっくりしてもいいですよと言われたので、『よし、じゃあやりたかったことを全部やってみよう』と思って(笑い)、いろんなダンスの講座に申し込んだり。7月は1カ月間、ヨガの練習で海外に行ってまして。なかなか会社員時代にはできなかった時間がかかること、いままでやってみたかったことにとにかくチャレンジしようと。気になっていたものを片っ端から申し込んだり、応募したりしました」と自分の身になることに積極的に挑戦した。

 今の自分はフリーの仕事に合っているという。「15年間、組織の一員としていろんなことを経験させてもらえた結果、今の年齢(38歳)でわりと自由な状況になっていることがよかったのかなって。体の摂理にも合っているし、日常を設計できる自由さと同時に責任もあるんだなという表裏一体の感じを味わっていて、自由な半面、自分自身の行動や発言や志向に責任を持たなければいけないという緊張感を自然に楽しめていますね」と自己分析する。

 今後やってみたい仕事は「海外との橋渡し的な仕事ですね。NHKにいたときからずっとやってみたいといっていましたが、住んでいた経験とか自分の語学力を生かして、橋渡しができるような立場で仕事をやり続けたいという気持ちはあります。あと音楽が好きなので、FMの番組などでミュージシャンにインタビューしたりとか」と夢はふくらみ続けている。

 ただ、こうなりたいという目標はがっちりと決めていない。「すごく今、オープンな気持ちで、漁で例えると網に何か入るのを待ちかまえるというような、網に入ってくるものと自分なりにどう向き合って、どんなことが生まれるんだろう、どんな体験や出会いがあるんだろうという自分で計算しつくせないところというか、結果が分かりすぎないところでの出会いを楽しみにするように、どんどん変わってきました」という。それは「自分には限界があると分かったからかもしれないですね。自分の発想にも限界があるし、自分が知っていることって本当はすごく狭いんだと思うんです。それが1%だとすると、そこを目をつぶると99%の出会いを自分から断ち切ってしまっていることになる。それは一度切りの人生だとしたらもったいないことだから、もっとその枠を取っ払って、出会いを楽しみにする方が豊かだし、楽しいのではないかと思うんです」とあくまで前向きだ。

 住吉アナが民放の番組に初出演した「1万人が選ぶニッポンの名場面」はMBS・TBS系で17日午後9時~10時48分に放送。

 ◇プロフィル

 すみよし・みき 73年4月5日生まれ。小学校時代は米シアトル、高校時代はカナダ・バンクーバーで過ごす。国際基督教大(ICU)卒業。96年、アナウンサーとしてNHKに入局し、07年には「第58回NHK紅白歌合戦」で総合司会を務める。「プロフェッショナル 仕事の流儀」(06~11年)、「スタジオパークからこんにちは」(10~11年)などの人気番組を担当。11年4月からフリーに。趣味は音楽を聴くこと、歌うこと(バンドでボーカルを担当)、ヨガやダンスなど体を動かすこと、海外へ行くこと、海外ドラマを見ること、イタリア語など。これまでにハマったポップカルチャーは小学校時代に米国にいたころに聴いたマイケル・ジャクソンの「スリラー」で「アルバムのカセットテープを買ってもらって何度も聴いたのを覚えています」。

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